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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十四話 この、こう着状態を打破します!
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締めにして峰うちにでもするつもりだったのだろうが――。
何とも言えない音がして、ローゼンリッターの隊員はトマホークもろとも壁にめり込んでいた。
「――――!!」
一同が目を見張る。相手の女性は剣を下げて佇んでいる。
「申し訳ないですけれど・・・・あなたたちには勝ち目はないと思います。すでにリンツ中佐は私たちが捕虜にしました。」
「中佐が!?」
ブルームハルトが愕然となった様子で叫ぶ。うなずいた女性が壁にあったディスプレイを起動させると、そこには高後手に縛られたローゼンリッターの隊員たちの姿があった。紛れもないリンツの姿があったのである。取り囲んでいるのは帝国軍だったが、そこに女性指揮官の姿が混じっていたのが見えた。
「よくも、中佐を!!!」
ブルームハルトが我を忘れた様に逆上して襲い掛かる。
「よせ、ブルームハルト!!!」
シェーンコップが止める暇も有らばこそ、強烈な一撃を食らったブルームハルトは壁に叩き付けられて意識を失っていた。シェーンコップらは戦慄を覚えていた。こんな感覚は初めてだった。彼女はブルームハルトが襲い掛かる前とまったく同じ姿勢で立っていた。彼女が動く姿も、何をどうしてどうなったのかも、隊員たちには見えなかったのである。
「まだ、やりますか?」
その問いかけが引き金になったかのように、シェーンコップの背後にいる隊員たちがどっと襲い掛かった。きっかり2秒後にすべての襲撃者が地面に伏せて動かなくなったのを残ったシェーンコップは身動きもできずに見つめるほかなかった。
「隊長・・・!!」
残りの隊員がかすれた声で指示を乞うのをシェーンコップは制した。
「お前らは動くな。ここは俺がやる。」
トマホークを振りかざし、前に進み出たシェーンコップは、猛然と疾走した。こうなれば勢いに任せて仕留めるしかない。トマホークにありったけの殺気を含ませ、うなりを上げた戦斧が血風を巻いて襲い掛かった。
直後――。
強烈な打撃を首筋に受け、一気に視界が闇に閉ざされるのが分かった。
他方――。
ヤン艦隊は要塞においてフィオーナ艦隊の猛反撃を受け、苦戦に陥っていた。元々数において半個艦隊程度である。それでも要塞に突入したのは、中央指令室さえ奪取できればことは成就したも同然だという見立てがあったからだった。ところが、敵の秩序は回復し、統制を持った艦隊が次々と襲い掛かってくる。それどころか、ローゼンリッターと通信が突如途切れ、逃げ帰ってきた一部の生き残りから、主要なメンバーが捕虜になったという情報がもたらされた。
「なんということだ!?」
「ローゼンリッターが捕虜に?」
「帝国軍にはどれほどの精強な部隊がいるのか・・・。」
幕僚たちの悲惨なつぶやきを聞くヤンとしては苦渋以外の何物の感情を持つことができただろう。だが、彼
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