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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十四話 この、こう着状態を打破します!
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。だからこそ、イゼルローン要塞から出先三個艦隊に向けては何の連絡もなかったのである。要塞にはフィオーナの直属艦隊が駐留しているが、いかに艦隊と言えども軍港に係留されていては陸に上がったカッパ同然だった。
要塞の激烈な対空砲火をかいくぐって突っ込んだ強襲揚陸艦と自由惑星同盟の戦艦たちが、要塞の施設を押しつぶして強行着陸した。上空はヤン艦隊と、どうにか飛び立つことができたフィオーナ艦隊の一部とが激しく戦っている。
軍港を強襲揚陸艦が制圧し、血で血を洗う戦いが行われたのち、一隊は反乱軍に制圧され、上陸地点の橋頭保が確保された。
「よし、リンツ!お前は一隊を率いて要塞の主砲管制室に向かえ。ブルームハルト!俺に続け!!要塞司令官のご尊顔を拝見しに行くとしようじゃないか。」
ワルター・フォン・シェーンコップ大佐が血に染まり、不気味な赤い光をぎらつかせるトマホークをかざして不敵な笑みを浮かべた。第十三艦隊のローゼンリッター連隊はウィトゲンシュティン中将の承諾で、臨時にヤン艦隊に加わっていたのである。
「行くぞ!」
高らかな声とともにローゼンリッター連隊と自由惑星同盟の陸戦部隊は続いた。迎え撃つのは帝国軍の装甲擲弾兵である。斬る、殴る、押しつぶす、突く等の原始人もかくやと思われる野蛮な戦いが展開され、廊下は血で滑り、臓物がまき散らされ、主を失った手足が宙を飛び、トマホークの一撃で体を失った頭が血を引いて虚空を飛び、壁に激突して床に転がり、光を失った虚ろな目を侵入者たちに向ける。
「ギャアッ!!」
絶叫を上げて血をまき散らして倒れる兵士を蹴倒し、シェーンコップらは猛然と突き進んだ。既に、捕虜とした敵から司令室の場所を尋問によって聞き出している。
「後2ブロックというところですかね。」
ブルームハルトが息を切らさずにシェーンコップに話しかけた。
「だろうな、この角を曲がってまっすぐに突き進めば、いよいよ敵の本丸が待っている、というわけだ。」
と、そこに通信があった。部下が持ってきたディスプレイを受け取ったシェーンコップが画面を起動させる。
『シェーンコップ大佐、状況はどうか?』
ヤンの声である。
「見ての通りですよ。まぁ、今すぐに司令官殿をご招待できる場所、とは言い難いですな。」
半ば芝居がかったしぐさで凄惨な光景を映し出した後、
「おおよそめどはつきました。後30分もあれば制圧できるでしょう。」
『わかった。だが、無理はしないでくれよ。無理と判断したら戻ってきてほしい。』
「戻る?おやおや、御大層なご心配をおかけしておりますな。」
シェーンコップは肩をすくめ、半ば憐憫さをたたえた微笑を浮かべた。
「この戦いの意義をあなたもわかっていらっしゃるでしょう。」
『わかっているつもりさ。頭ではね。だが、私にはそんなものよりも貴官らの命の方が
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