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提督はBarにいる・外伝
美保鎮守府NOW-Side B- PART3
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督が失踪……って、これ完全に『消された』よね?」

 川内がそう推論を立てた。ほぼ正解だろうが、結果を見る限り……

「いや、『消そうとしたが失敗した』ってのが正直な所だろ?何せ奴は生きてんだ」

 美保提督は暗殺されかけたが、一命を取り留めた。……いや、表向きには暗殺された事になったのかも知れん。

『ありました、その記事が過去の新聞やニュース記録に残っています』

「やっぱりか」

『ただ……誰がどこで暗殺されたのか詳細は書かれずに、海軍の高官が暗殺されたと簡潔に報じられたようですね』

「間違いなく情報規制されてますね」

「あぁ……そうだろうな」

 しかし、それほどの重大事件。無理にでも探ろうとする奴が少なからず出てきそうな物だが。

「美保の提督、ちょっと可愛そうだヨ……相当なショックだったと思う」

「ショック……それだ!」

 金剛の思わぬファインプレーだ。奴の言動から感じた違和感。

「恐らく、暗殺未遂のショックから美保の提督は記憶喪失……下手すると、まだ完全に記憶を取り戻して無いんじゃねぇか?」

「可能性は高いね」

「青葉もそう思います!」

 しかしこれに勘付いたと悟られれば、外とのやり取りを疑われかねない。

「取り敢えず、向こうからの説明があるまでは記憶喪失に関しては知らぬ存ぜぬを通す……いいな?」

「「「了解」」」




 さて、モヤモヤが片付いた所で本題に入るとしよう。

「……ところでよ、この部屋綺麗だろうな?ダニやらノミやら、『虫』が多いのは勘弁だぞ?」

「大丈夫だよ提督、私と青葉で『クリーニング』しといたから」

「ならいいんだが」

 勿論、美保鎮守府の艦娘達の掃除の手抜きを疑った訳ではない。この部屋が盗撮・盗聴の類いをされていないか?という確認を川内とのやり取りの中でしたのだ。

 『虫』というのが盗撮用の小型カメラや盗聴機といった物の隠語、『クリーニング』というのがそれを見つけ出して取り除く作業の事である。つまり、外に音が漏れたりしない限りはこのテレビ会議はバレる可能性がかなり低い、という事になる。

「でも凄いですよココ!秘匿通信やら暗号通信が飛び交いまくってて、PCの調整に苦労しました」

 ノートPCの電波の送信にも、細心の注意を払っているのだ。数百に及ぶチャンネルを用意して、タイミング・規則性もなくそのチャンネルを細かく切り換えて逆探知を防いでいたのだが、ここでは通信の量が多すぎてそれが阻害されてしまったのだ。

『まぁ、お陰でいいカモフラになってますがね?』

 大淀に割り込むように会話に参加してくる明石。

「そんだけ隠したい物がある、って事だろ?オスプレイやら米軍の小火器や
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