暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ガンダムW
1652話
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げ出したのだろう。
 自分達の力量を理解しているからこそ、デキムはそう簡単に尻尾を出さない。
 その代わり、裏でコソコソと動く訳だ。
 ……多分、OZに匿われているんじゃないかと思ってるんだけどな。
 だが、そう思わせて置いて実は……という可能性もある。

「ふーん。じゃあ、OZの方を先に叩くの? デキムがOZに匿われてるかどうかは分からないけど、それでもOZの基地を叩いておけばデキムが逃げ込める場所は少なくなるでしょ?」
「それなんですが……」

 凛の言葉に割り込むように、サリィが口を挟む。

「実は、宇宙にいるOZやバートン財団の方も問題ですが、地球でも中東に怪しい動きがあるようなんです」
「……中東に?」

 そう尋ねた俺の言葉には、疑問があったと同時に微妙に納得もあった。
 W世界にやって来てから色々と調べたんだが、このW世界において中東というのはコロニーに対して強い影響力を持つ。
 W世界の歴史において、最初にコロニーを開発しようとしたのは当然のように欧米を始めとする列強国だった。
 だが、コロニーの間では技術的な問題が大きかったり、流行病があったり、宇宙での出産に母子共に耐えられなかったりといった問題があり、同時に当時地球で起きた戦争によりコロニー同士でも自分達のメインスポンサーとでも呼ぶべき者達の影響から敵対したりもした。
 ……もっとも、出産については遺伝子を調整する事によってその辺の問題はクリアされたのだが。
 この辺り、それこそカトルの姉が試験管ベイビーだったりするのを見ても、そっちの類の技術が何気に高いのが分かるだろう。
 そう考えれば、実はW世界のコロニーに住んでいる人々はコーディネイターと言ってもいいのかもしれないな。
 ただ、SEED世界のように遺伝子を弄って才能を伸ばすといったことまでは出来ないみたいだが。
 ともあれ、そんな理由でコロニーは一時的に危機を迎えた。
 そこに手を差し伸べたのが、中東の産油国。
 そのうち石油が枯渇した時の事を考えてや、純粋に人助けだったり……それ以外にも他に色々と理由はあるのだろうが、ともあれ中東の産油国が大量に資金を出してコロニーの建造を進めていった。
 つまり、中東の援助がなければここまで宇宙開発が進む事はなかったのだ。
 いや、もしかしたら中東の助けがなくてもコロニーの建造を含めた宇宙開発は進んだかもしれないが、それには相応の時間が掛かっただろう。
 ウィナー家を含め、妙に中東がクローズアップされていると思っていたが、その辺が理由だったらしい。
 ……もっとも、カトルの父親ザイードはその平和主義によってOZに邪魔者扱いされ、コロニーの者達に殺される結果となったが。
 ともあれ、そんな訳で中東というのはこのW世界で一定の勢力を保ってい
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