第五章
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「外出の時は」
「大変だな」
「今はそれが出来るからは」
「赤ん坊だからか」
「もう少し大きくなったら」
「子供はすぐに大きくなるからな」
勇人も言う。
「それこそな」
「その時どうしようかしら」
「トイレのあの育児のあそこに入れるか」
「そうも考えてるしもっと大きくなったら」
「トイレの近くのお店に預かってもらうとかな」
「お店には悪いけれどね」
「そうでもしないとな」
それこそとだ、勇人も父親としてかなり真剣に考えている。それが表情にもはっきりと出ている。やはり親だからだ。
「危ないだろ」
「一瞬でも目を離すとだから」
「そうだからな」
「だからね」
「目を離せないからな」
「何といってもね」
「だからそうでもしないとな」
トイレの時はだ。
「ちゃんと言うことを聞く歳になるまでな」
「注意しないと」
「車にはねられたり誘拐されたら」
「それこそどうしようもないわ」
「全く、子供は手がかかるな」
真剣な顔のままでだ、勇人は美紗子にこうも言った。
「何かと」
「本当にそうね」
「かみさんは特にだな」
「母親の方が一緒にいるからね」
その時間が長いからとだ、美紗子も答えた。
「だからね」
「そうだよな」
「余計に注意してるわ」
「家でもだろ」
「相変わらずおトイレがね」
「大変か」
「まだおむつでしょ」
そうした状況だからというのだ。
「しょっちゅう替えてるわよ」
「それも相変わらずなんだな」
「まさにね」
「やっと夜泣きしなくなった位か」
「しかもやんちゃだから」
「男の子だからな」
「男の子ってそんなの?」
かなり真剣にだ、美紗子は男である夫に問うた。
「私は姉妹でね」
「妹さん二人共か」
「大人しかったけれど」
「そうらしいな。俺は一人っ子だがな」
弟等はいないので赤子のことは詳しく知らない、だがそれでもというのだ。
「親父やお袋が言うにはな」
「やんちゃだったのね」
「相当手がかかったらしいな」
「あちこちに落書きしたり破いたりしたり」
「そうしたことをしていたらしいな」
「やっぱりそうなのね」
「かといってもな」
ここでだ、こうも言った勇人だった。
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