第三章
[8]前話 [2]次話
「この子夜泣きというか泣く度にね」
「おむつか」
「そうなの、それもどっちもね」
大きい方も小さい方もというのだ。
「してるから」
「昼もか」
「朝もよ」
つまり何時でもというのだ。
「してるの」
「一日何度もするのか」
「そうよ」
「そんなにか」
「そうじゃなかったら」
おむつを替える場合でなければとだ、美紗子は手元からおむつを出す夫に対してこうも言った。
「御飯なのよ」
「ミルクか」
「どっちの場合もあるし」
「大変だな」
「夜もこうでね」
「昼も朝もか」
「もう凄い勢いで泣くから」
今の様にというのだ。
「目覚ましより凄いわ」
「俺は昼仕事だけれどな」
「私は朝もお昼もよ」
翔平と共にいるというのだ。
「だからね」
「大変なんだな」
「休む時は休んでるけれど」
それでもというのだ。
「大変なことはね」
「実際にか」
「そうなの」
こう夫に話した。
「これがね」
「厄介だな」
「あなたはもう休んで」
おむつを差し出した夫に言った。
「明日も現場よね」
「ああ、そうだよ」
「だったらね」
「肉体労働だからか」
「休んで」
そうして欲しいというのだ。
「疲れて何かあったらいけないから」
「そう言う御前もだろ」
「私はお昼寝出来るから」
家にいるからだというのだ。
「大丈夫だから」
「じゃあお尻とか拭いておむつ替えるのはか」
「私がやっておくから」
「悪いな」
「気にしなくていいわ」
そこはとだ、こう言ってだった。
美紗子は息子のおむつを替えて前のそれは捨てた、そうしたことをしてからまた寝たが。
とにかく翔平はミルクをやたら飲んで泣いた、何かあるとすぐに雷の様に泣く。とにかく元気な赤ん坊だった。
立てる様になってもだ、それはそれでだった。
あっちに行ってこっちに行ってだ、何でも口の中に入れようとする。そしてこけたりぶつかったりすればまた雷の様に泣く。
その息子を見てだ、翔平はまた妻に言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ