第三章
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「それじゃ」
「そんな理由でか」
「うむ、御主を助けに来た」
「理由になっておるのは」
「わし等は何分気まぐれでのう」
「それでか」
「まさに気まぐれにな」
彼が自分で言うままにというのだ。
「こうしてな」
「助けに来てか」
「教えておるのじゃ」
「そうなのか」
「だから及第するやも知れぬし」
「御主達が何者もか」
「わかるやもな」
笑ってこう言うのだった。
「それだけ運がよければ」
「運がいいかどうかは及第してからわかる」
李は書生に落ち着いた顔で返した。
「実際及第は学問を究めてもな」
「それだけではないな」
「半端な者が大半でそうした者は大抵落ちる」
学問が浅い者はというのだ。
「そして及第する者もじゃ」
「運がないとな」
「落ちる」
そうしたものだというのだ。
「その場で風邪でもひけばそれで終わりじゃし何か他にもあってな」
「落ちる場合もあるな」
「やはり運も必要じゃ」
この要素もというのだ。
「運がない者は及第出来ぬし身を立てることも出来ぬし武挙の方に及第して将軍になっても」
「そちらでもじゃな」
「流れ矢に当たってしまいじゃ」
「やはり運も必要じゃな」
「創業の臣の方々は運もよかった」
李はこうも言った。
「だから太祖様も太宗様も助けられた」
「資質だけでなくか」
「運もあってな」
そしてというのだ。
「何かが出来る」
「だからじゃな」
「うむ、運も実力じゃ」
李はまたこう言った。
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