第五章
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「そんなにいいのなら飲みたい」
「買いたいわね」
「我が国でも」
「是非共」
こう言って商人の人達が来て買って行く様になりました、今度は貿易にもなって国はとても豊かになりました。
大臣からそのお話をです、王様はケーキを食べている時に聞きました。ケーキの甘さとそのお話に満足して言うのでした。
「そうか、国がか」
「大変豊かになりまして」
大臣の人も笑顔で王様にお話します。
「国民もです」
「生活がよくなったか」
「大変」
「それはいいことだ」
王様はにこにことして言いました。
「大変な」
「全て王様が仰ったことからです」
「何を造れだの言ってだな」
「はい、食べるものや飲むものかな」
「そうなのだな」
「そうです」
「そうか、余は自分だけ美味いものを食べることは好まぬ」
王様個人のお考えです、王様は自分だけは美味しい思いをしてもそれは面白いともいいことだとも思わないのです。
「誰もが食べて飲んで笑顔にならないとな」
「駄目とですね」
「思っているからな」
「そしてそのお考えがです」
「国を豊かにしたのだな」
「はい」
大臣の人は一言で答えました。
「そうです」
「そうなのだな」
「まさに」
「誰もが美味しいものを口にしたいと思えば」
「そこから多くの者が幸せになる」
「そうしたものだな、世の中は」
特に王様みたいな偉い人が思うとです。
「そのこともわかった」
「左様ですか」
「このこと覚えておこう、それでだが」
王様はケーキを食べつつ言います、とても大きなチョコレートケーキです。
「このケーキもかなり美味い」
「そうですか」
「砂糖もいいな」
「てんさいの砂糖ですが」
「砂糖大根のだな」
「そうです」
「この砂糖はいい、それならばだ」
ここでも言う王様でした。
「国にてんさいも植えさせてだ」
「そのうえで、ですね」
「民達に砂糖の味も楽しんでもらおう」
こう言うのでした。
「チョコレートは造られるか」
「カカオは気候的に難しいかと」
この国ではというのです。
「どうしても」
「そうか、では大々的に輸入してだ」
「そしてですか」
「民達に食べてもらおう」
チョコレートもというのです。
「そうするとしよう」
「わかりました」
このことからもでした、国全体で砂糖の甘さを楽しむことが出来てチョコレートの美味しさも知りました。王様の食道楽からまた国民の人達は幸せになりました。
国民の人達は王様のお人柄と食道楽に感謝しました、そのお陰で自分達もお国もとても豊かになったのですから。それで皆王様を心から慕いました。とても食いしん坊な王様に。
王様の道楽 完
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