☆例えばこんな衝撃的な事実に作者も驚愕を禁じ得ない
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ナギツネみたいな顔が萌えますなぁ♪」
「褒められている印象がありません」
「おお!その乾いた目がまさにチベットスナギツネ!!……あ、念のため読者諸君に説明しておくとブサカワとかではなくむしろ無表情系ロボっ子って感じだからウェージ的には好物の部類でございます!!」
「確かに広義に於いては鉱物製と認められないでもありません」
正直楽しい。私の下手くそなボケを丁寧に拾いつつ決して真似出来ない電波発言まで飛び出すウェージに、私の心は今もどんどん惹かれている。惹かれすぎて本懐を忘れてしまいそうなほどに。
でも、そのために人型になったのだから、不器用なりに言葉にしよう。
「ウェージ。私はあなたの事が好きです。貴方と共にならどこへなりと行き、引き金を引きます。しかし私はウェージに一つだけ……言葉にして質問したいことがあったがゆえに人の形になりました」
「そんな真顔で好きですとか言われると流石にハズいなぁ……そうかムーちゃんは素直クールだったんだね!ほんでほんで、聞きたいことって?」
私は息を吸い込み、吐きだし、最初の一言を自ら口にするのはこんなに難しいのかと考えながら質問した。
「ウェージは私をマルムークと名付け、いつも可愛がってくれました。そしてマルムークとは奴隷の戦士という意味だと言っていました。解放奴隷の意味を持つフリードマンとも似ていて、私はこの名前を気に入っています。しかし、一つどうしても分からないのです」
「分からない……分からないことを分からないと言える君の気持が分からない人は分かっていないという事は分かるけど何が分からないの?」
「これを見てください」
私はホロモニタを表示し、それをウェージに見せた
『マムルークは、イスラム世界における奴隷身分出身の軍人のこと (……wikipediaを参考)』
「ふむ、これはムーちゃんの名前の由来になったアレだねぇ。それで?」
「ここの表記はマムルークになっています」
「マムルークだねぇ。マムルーク……ん?」
何が何やらと話を聞いていたウェージは何かに気付き、小首を傾げた。
それがどういう意味を持っているのか、私には分からない。
しかし、この文章に私がどうしても聞きたかった真実が隠されていた。
「私は今まで自分の名前としてマルムークを受け入れてきましたが、調べてみたところマルムークとは誤表記であり、正しくはマムルーク(mamluk)であることを知りました。私はこの名前がウェージの渾身のボケだったのか、或いは自覚のないマジボケだったのかずっと判別がつかなかったのですが、どちらでしょうか?」
「……………………………」
ウェージの顔が真っ青になり、真っ赤になり、唐突に真顔に戻ったかと思うと突然満面の笑みを浮かべた。
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