第七章
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二人で婚姻届けを出してそうして式も挙げた、式には寛騎も友希も学生時代の友人達も招いたがその式の場でだった。
寛騎の友人達は羽織袴の彼にだ、笑って言った。
「おい、奥さん若いじゃないか」
「まだ十八だって?」
「高校卒業してすぐらしいじゃないか」
「そんな娘が奥さんか」
「小柄でしかも童顔だし」
「それならな」
まさにというのだった、彼等は。
「ロリコンじゃないか」
「御前やっぱりロリコンだな」
「完全にそうじゃないか」
「ロリコンだったんだな」
「いや、それは」
寛騎は否定しようとした、だが。
彼も考えてだ、こう言うしかなかった。
「そうかも知れないね」
「十四歳年下だからな、相手は」
「しかも外見といい」
「それならこう言われても仕方ないだろ」
「ロリコンだってな」
「あっちもそうしたこと言われてるかな」
友希は友希でとだ、寛騎は思った。あちらは自分とは逆におじさん趣味だの年上キラーだの何だのとだ。
「やっぱり」
「そうじゃないのか?」
「向こうのことはよく知らないがな」
「こっちはこっちで言ってるしな」
「じゃああっちもな」
「ううん、ロリコンか」
寛騎は腕を組んで考える顔になっていた。顔にも出ていた。
「僕はやっぱりそうなのかな」
「やっぱりそうだろ」
「そうじゃないのか?」
「相手の人が相手の人だからな」
「十四歳下でロリ要素の塊だろ」
「それじゃあな」
まさにとだ、友人達も言う。
「それならな」
「ロリコンと言う他ない」
「そうなるな」
「どうしてもな」
「そうかもね、けれどね」
それでもとだ、ここでこうも言った彼だった。
「別にいいか」
「いいのか」
「ロリコンでもいいのか」
「そう言うのか」
「好きだからね」
それ故にというのだ。
「だからね」
「それでもいいか」
「ロリコンでも」
「そう呼ばれても」
「そりゃ小学生や幼女は駄目だけれど」
犯罪になる、それ故にだ。
「それでもこれ位ならね」
「三十過ぎのおっさんが十代の娘と結婚しても」
「それでもか」
「別にいい」
「そう言うんだな」
「別にいいんじゃないかな」
笑って言うのだった。
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