第三章
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「だからね」
「それじゃあ」
「そう、続けていってね」
「ドリルも教科書を読むことも」
「最後までね」
「わかったよ」
優樹は少し嫌々という感じですがお母さんの言葉に頷きました。
「そうしていって成績がよくなったらね」
「いいわよね、ただね」
「ただ?」
「優ちゃんそんなに成績悪くないけれど」
お母さんはふと我が子のこのことを思いました、必死に成績を上げたいというこのことについてです。
「それでもそんなになの」
「そうだよ」
「どうしてそんなに上げたいの?」
「ちょっとね」
お母さんの今の質問にはです、優樹は少し焦った感じになって答えました。
「まあ何ていうか」
「何かって?」
「成績が上がったらいいことがあるから」
「いいことって」
「とにかく成績を上げたいんだ」
今はこう言うだけの優樹でした。
「本当にね」
「いいことがあるから」
「うん、だからね」
それで、というのです。
「きっとね」
「成績を上げるのね」
「面倒臭くなったけれど」
優樹はあらためて言いました。
「続けるよ」
「成績を上げたいならね」
「ドリルも教科書もね」
「少しずつやっていくのよ」
「そうしていくね」
優樹はあらためてお母さんに約束しました、そしてでした。
ドリルも教科書もこつこつと少しずつやっていって読んでいきました。そうしたことを続けていくとテストに時にです。
「あっ、この問題は」
算数のテストの時に気付いたのです。
「ドリルの問題で出てた、答えは」
すぐに書いていきました、そうした問題が他にもあってです。
理科や社会、国語の漢字のテストでもでした。教科書やドリルに出ていた問題があってです。
解けていきました、その結果。
お母さんにテストを見せてこう言いました。
「前よりもね」
「ええ、そうよね」
お母さんもその成績を見て言いました。
「よくなったわね」
「そうだよね」
「これはね」
「やっぱり毎日ドリルや教科書をやって読んでいたから」
「そうよ」
まさにというのでした。
「よくなってきてるのよ」
「そうなんだ」
「これでわかったかしら」
お母さんは優樹ににこりと笑って聞きました。
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