人格形成!最強の単語が出来上がるまで。
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て、イゼルローン要塞に赴任した。「イゼルローン要塞に赴任するヤン・ウェンリーの片腕!」「若き提督!」というフレーズが連日雑誌に並んだ。彼はアムリッツアで第十艦隊の残兵を統率して帰還した英雄でもあるのだ。そんな彼がイゼルローン要塞に赴任するという。当然そこにいる女たちは彼を放ってはおかない。シェーンコップやオリビエ・ポプランには及びもつかないが、彼は彼なりに人気があったのだ。
しかし――。
もう女は沢山だ!!という彼の心の声は決して届くことはなかった。
そうこうしているうちに彼は中将に昇進し、イゼルローン革命軍の司令官の一人としてますます重要な立場につくこととなった。それに伴い女性たちからの視線もヒ〜トアップしたものになる。
「アッテンボロー提督。」
艦隊勤務が終わり、後をマリノとラオに託したアッテンボローは移動床を自室に戻っていくところだった。呼び止めたのはカーテローゼ・フォン・クロイツェルである。
「なんだい、カリン。」
カーテローゼ・フォン・クロイツェル伍長、通称カリン。シェーンコップ中将の隠し子である。当人は再三父親と衝突しようとするが、父親の方は闘牛士よろしく彼女の突進をひらりひらりとかわしていく。それがますます彼女の父親への態度に拍車をかける、という図式がここの所見受けられた。
だが、今日の彼女は違った。少し赤い頬、うるんだ瞳、まるでヴィーナスのような素晴らしい美貌だった。いくらアッテンボローと言えども内心たじろがざるを得ない。
「あの・・・実は提督・・・・。少しご相談したいことがあるのですけれど・・・・。」
いつになく頬を染めたカリンはいきなりアッテンボローの手を取った。
「ここではなんですから・・少し離れたところで・・・・。」
アッテンボローの胸の中でシンバルが鳴った。それは過去の悪夢を思い出しての事だった。あの「ダスティ〜!」と叫びまくっていた少女との熱い邂逅の日々。「給食のオカン」とその部下のアマゾネスたちからのイビられる日々。いずれもが彼にとって「女は厄介者だ」という概念を形成するのに一役買っていた。
だが、今日のカリンは綺麗だ。とても綺麗だ。あんなユリアンなんかにはもったいない。この俺がもらっても一向にかまわないのではないか。向こうは革命司令官であるが、それでもまだ十代、一方で俺は二十代だ。こういう十代の女性という奴は年上の男にメロメロになってしまうものだ。カリンとは話をあまりしていないが、向こうはいつの間にか秘めた思いを持っていたと見える。
いつの間にか彼の胸の中では勢いよくマーチが流れ出していた。
(おい、アッテンボロー。どうした?!女は二度とごめんじゃなかったのか。気を付けろ。)
アッテンボローは自分にそうカツを入れたが、それでも内心舞い上がってしまうのをこらえるのは次第に難し
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