美保鎮守府NOW-Side B- PART2
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適性を見極め、人体をベースに機械を組み込み、サイボーグの様な形として生まれた第一世代型艦娘。ウチの連中は殆どがその第一世代型をベースにクローン技術等を用いて量産された第二世代型だが、聞くだけでも中々ヘビーな話だったらしい。
「まぁ、取材した内容をずっと保持しておけるんだ。お前からしたら夢の機能だろ?青葉」
「ふえ?あ、あはは……そうですね!」
重苦しくなった空気を変えようと茶化して見せる。時には道化になる事もしねぇとな。
「話を戻すぞ。そんなワケで武蔵が押収したのは形として残ったデータのみ。青葉やあの技術士官の脳内データや電子データはノータッチにしておいた」
それが『貸し』である。しかしあのタイムパラドックスが無ければ艦娘の量産化の目処は立たず、第二世代型艦娘はここまで普及しなかった。つまり見逃さなければあの場でブルネイ鎮守府どころか世界中の艦娘が消滅していた可能性さえあった。その推論に思い当たった青葉は、ゾッとした背筋をぶるりと震わせた。
「ンー……でも、darlingがあそこでデータを消してたら私達が生まれなくて、でも生まれてないとデータは盗めなくて過去に持ち帰れなくて……ア〜っ!頭が痛くなって来まシタ!」
要するに金剛の言いたいのは『卵が先か?鶏が先か?』論争だ。そんな物は不毛だし、考えるだけ無駄だ。
「事実関係だけで処理するぞ。ウチはデータを盗まれ、持ち逃げされた。奴さんもこっちもその事実は暗に認めてる。その貸しはキッチリ取り立てるさ、利子つきでなぁ?」
ただでさえ米軍と親しいらしい美保鎮守府だ、ウチにないノウハウやらデータやらが眠っている事だろう。その為の人選である。
「俺と金剛は普通に視察して連中の目を惹き付ける。言わば囮だ。川内はデータの物理的奪取……不可能なら一暴れしてもらうかもな」
「りょうか〜い♪」
川内はニヤニヤというか、眼がギラギラしている。戦闘狂、ここに極まれりという顔だ。正直、危ない。
「青葉はノートPC使って電子データの吸出しだな。くれぐれも、枝付けられたり逆探なんて真似はされるなよ?」
「大丈夫です!目標は電子戦のプロであるメスゴリラ少佐ですから!」
「草〇素子は無理があるから止めとけ」
アニメ好きにしか解らないような冗談を交わしつつ、打ち合わせは幕を閉じた。明日(というか既に今日だが)の起床予定は05:30。あと数時間しか無いが、少しでも寝ておこう。
「あ、darling?」
「何だ?」
「あのマイルドなしゃべり方、違和感丸出しですから止めた方がいいデスよ?」
「うるせぇ馬鹿、とっとと寝ろ!」
自分でも解ってはいるのだ。ただ、相手に不快な印象を与えて青葉と川内が動きにくくなる
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