番外編:殺人鬼の昔話1 中
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治していけ」
「何処へなりと行くさ、少なくともこれ以上お前の世話になるつもりは……」
「こいつを見ても同じ事が言えるか?」
ラシャはテーブルにドッグタグの塊を投げ出した。総数は裕に30を超えている。それぞれに施された「奇抜なペイント」から察するに、元の持ち主は二度と現れないということだけは明らかだった。
「これ、この三日間で押しかけてきたお前の『自称』お友達」
ラシャは「自称」の部分を強調して告げた。マドカは自らの古巣の根回しの速さに戦慄した。
「どうやって!?私でさえ敵わないのに……」
「敵わない?当たり前だ。明らかに成長期を迎えて間もないお前に勝てる相手なんてたかが知れてる。随分な無茶をさせられていたみたいだな。だが筋は良い、最適なペースを掴めばずっと強くなれる」
マドカはラシャの言葉をポカンと呆けて聞いていた。今の今まで自らの強さについて『否定』しかされなかった最中、初めて『肯定』された。そして自らを完全に下した強さ。彼女の進むべき道は決まった。
「……ラグザ、私を鍛えろ」
マドカの心境の変化にラシャは先程の彼女のような間抜け面を晒した。
「どういう風の吹き回しなんだい?」
「私は生涯を賭けて殺さなければならない存在が居る。その為には絶対的な力が必要なんだ!だから私を奴の次元にまで押し上げられるならなんだって利用してやる!!私を弄んだ技術だってモノにしてやる!!その為なら純潔なんて惜しくは……」
「あのさ、いつの間に〜か俺を最低男にするのをやめてくれない?俺はそういうのじゃないから」
ラシャは一つでかい溜息をつくと、雑念をごまかすように頭をバリバリかきむしった。
「なんだろう、ずっと昔にこんなことをしていたような気がする…が、もうちょいスマートにいってた様ないかなかった様な……」
「おい!どうなんだ!?私を……っっっっ〜〜〜〜〜!!」
ラシャの態度に業を煮やしたのか、マドカは慌ててラシャに詰め寄ろうとするも、傷口が開きかけてそれ以上の言及が出来なかった。
「まあ、良いんじゃないかな」
悶絶するマドカとは対照的に涼しい表情でラシャは承諾した。その返答にマドカは歳相応に顔を輝かせる。
「ほ、本当か!?」
「ただし、条件がある」
思わず身を乗り出すマドカに対して、ラシャは牽制するように指を突きつけた。射抜くような視線とともに突き出された彼の人差し指は、ナイフの切っ先にも、銃口のようにも見えた。
「無茶をするな、言うことは聞け、命を粗末にするな。あと、目的をちゃんと達成しても燃え尽きず、生きる目標を見つけること。分かったか?それらを了承しなきゃ鍛えてやらない」
試すような眼差しを向けるラシャに対し、マ
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