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フロンティアを駆け抜けて
ぶつかり合う竜
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までひどいことをしたのかと憤る。

「落ち着け、私は貴様ほど心が弱くないのでな。命令には逆らえんが自分の心は失っていない。あくまでバトルフロンティアを破壊する計画に乗ったのはチャンピオンと戦える可能性があるからだ。フロンティアのオーナーには私も少しばかり怨みがあるしな」
「……ふーん」
「ふーんで済ませていいの?」
「パパの事恨んでる人なんていくらでもいるし……それはジェムもわかるでしょ」
「まあ……なんとなくわかるけど」

 自分の父親を恨んでいるといわれたダイバはどうでもよさそうだった。というより反応が慣れている。ジェムも自分にされた事を思えば理解できてしまう。

「とにかく……じゃああの人がこのフロンティアを破壊しようとしているってことでいいのね?」
「あの人とやらがだれの事か知らんがそういうことだろうな」

 どうやらドラコにはアマノの名前を出したり犯人はアマノだということは出来ないらしい。しかし遠回しに肯定してくるのはドラコ自身にはっきり意思があるからだろう。

「だが私にとって重要なのはそこではない。もう一人協力者がいる」
「まさか……アルカさん!?」

 ドラコが笑った。それが答えだった。ジェムにファンだといって近づいて毒薬を盛り、自分たちの仲間に加えようとした。狡猾で毒の扱いに長けたあの少女がこの上にいると告げられる。

「私に勝った実力を免じてジェム、お前に頼もう。……あいつを、助けてやれ。あいつはこんな大それたことに携わる気などなかった。やつもまた、命令によって協力させられているのだ。奴は恐らくこの上で待っているはずだ」
「うん……今度はちゃんと、アルカさんと向き合うわ」

 あの時は、自分の言葉を勝手に押し付けるだけでちゃんと彼女の気持ちを考えていなかった。だから昨日の夜あったときも、大分邪険にされてしまったし仕方ないことだと思う。

「なら、バトルそのものは楽そうだね……昨日勝負を仕掛けてきたけど、全然大したことなかったし」

 ダイバは昨日アルカと会っていた。ジェムが到着した時にはチャンピオンが割って入っていたが、その前に戦いを挑まれていたのだろう。

「……ふん、成長しないやつだ。あの女を見くびらん方がいいぞ。お前達が思っているよりもはるかに、あいつは恐ろしい」
「どういうこと?」

 ジェムはアルカを大したことないなんて思っていない。それでもドラコの言い方は気になった。ドラコの性格から他人を恐れるような言動は早々でないだろうからだ。

「頼むついでに教えてやろう。出会ったらあいつが何を言おうと信用するな。油断するな。昨日まではあいつはお前達を仲間に引き入れるために動いていた。毒で支配することでな。だが計画が実行に移された
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