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フロンティアを駆け抜けて
ぶつかり合う竜
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高速移動』と『爪とぎ』を何回か使って殴るだけで私のポケモンを全員倒しちゃったよね」

 ひたすら能力を上げて殴り続けられるだけで勝負がついたあの惨敗を思い出す。今でも身が震えそうになるほどの強さを、今度は味方として支えようと思えるくらい、ジェムは今までの自分を乗り越えていた。あのメタグロスはかつて父親の持っていたポケモンだったと分かったのもある。そしてこのバトルでも、ダイバにとってメタグロスは自分の手足にも等しく思っていることは伝わってきた。

「あの鋼の隕石を、今度はダイバ君とメタグロスの絆の力で竜の星屑に変えてみて欲しいの。……ここまで言えばダイバ君ならわかるよね?」
「……そんなの、クイズにもなってないよ」

 ダイバはジェムの言葉の意味を理解する。ほんの少しだけ、口の端が曲がったことは自覚していない。

「貴様ら、まさか……! 鋼とエスパータイプであるメタグロスにドラゴン技最強の奥義を使わせようというのか!?」
「ドラコさんならやっぱりわかっちゃうよね。でも、その通りよ!」
「これが僕とメガメタグロスに出せる最高のパワー……やれメタグロス!!」

 メガメタグロスの拳がコピーした炎の力によって分解され、八つのダンバルに近い形となる。それがフィールドの天井へと昇り、まるで無数に降り注ぐ流星群のように一気に降り注いだ。それはトレーナーと完全に信頼で結ばれたドラゴンタイプのポケモンのみが使える技、『流星群』によく似ている。

「笑わせてくれる……付け焼刃の竜の力に私が負けることなどあり得ん! 『爆音波』に『弾ける炎』だ!!」
「ただの『流星群』なんかに頼らない。僕の邪魔をする奴は全員殴り倒す……」
「これが今の私たちに出来る絆の技……『メテオスウォームパンチ』!!」

 フライゴンとメガリザードンXがそれぞれの得意技を使う。音が拳を逸らし、炎が鋼を焼き尽くす。だが降り注ぐ拳が全く止まらない。弾かれればまた天に昇り、溶かされればまた形を取り直して降り注ぐ。怒涛の流星群となった拳はフライゴンとメガリザードンの体を打ち据え、殴り──二体纏めて、地面に倒れさせた。二体のドラゴンをドラコがボールに戻す。これで四体が倒れ、ルールに則ればもう出せるポケモンはいない。ジェムが固唾を飲む。

「私の、負けか……いいだろう、貴様らを二人とも強者と認めてやる」
「やった……勝ったわ! これで上に進めるねダイバ君!」
「……元々、負けるつもりなんてなかったし」

 ドラコが敗北を認める。ジェムとダイバ、二人の勝利だ。全身で喜美を露わにするジェムに対し、さっさと部屋の回復装置を使ってポケモンを回復させるダイバ。でも声はバトルを始めた時よりだいぶ柔らかかった。ジェムもそちらに行き、ラティアスとキュウコン
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