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フロンティアを駆け抜けて
ぶつかり合う竜
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てない。……行くよメガガルーラ」

 素っ気なく答え、メガメタグロスは一旦ボールに戻すダイバ。炎タイプによる攻撃が強力なリザードン相手に鋼タイプでは分が悪いと踏んだのだろう。親子二体で戦うメガガルーラを場に出す。

「メガガルーラ、『岩雪崩』」
「フライゴン『日本晴れ』! そして岩を溶かし尽くせメガリザードンよ!」

 メガガルーラがバトルフィールドを砕いて岩を作り、二体で相手に投げつける。その間にフライゴンは自分で作った火球をフィールドの天井に飛ばし、疑似的な太陽を作り出した。炎技の威力がさらに上がり、メガリザードンが自身の炎で岩をドロドロに溶かしてしまう。岩が液状化したマグマとなって地面に落ちた。

「なんて熱さ……!」
「貴様の攻撃、利用させてもらおう。フライゴン、『大地の力』だ!」
「キュキュ、『守る』!」
「そしてメガリザードン、『ドラゴンクロ―』!!」

 発生したマグマをもエネルギーに変え、フライゴンがキュウコンの足元の地面を炸裂させる。キュウコンはそれを念力で止めて防いだ。だがそれはガルーラをサポートする余裕がない状況を作るための布石。メガリザードンが大地を蹴り、メガガルーラの前に躍り出て鋭い爪を子供の方に容赦なく振るう。子供は竜の瞳に前に震えあがったが――母親の方が身を挺して庇い、蒼く燃える爪に体を切り裂かれ倒れた。

「……まったく。子供を庇うより暇があるならそのまま攻撃したほうがいいっていつも言ってるのに」

 ボールに戻すダイバは不満そうだった。確かに子供を放置していればメガリザードンに反撃できたかもしれない。だがそれはあまりに酷だろうしお母さんのガルーラもやりたくないはずだ。

「そんな、それじゃ子供のガルーラが大怪我しちゃうよ?」
「僕のママなら構わずそうしてるはず。まあ……ママがおかしいのはわかってるし子供を守る強さがメガガルーラの利点だから別にいいけど」

 ジェムが苦言を呈すると、ダイバは怒っているわけではないようで意外とあっさり認めた。メガガルーラが強いのは子供がパワーアップしているのが主な理由ではなく母親の愛情こそが強さだと言われているのを聞いたことがある。ダイバの声はなんとなく、昔の自分が母親がキュウコンを大事にしているのを見た時の反応に似ている。なので思わず言ってしまった。

「……ヤキモチ?」
「コメットパンチで殴るよ?」

 即座に否定されたあげく脅されたので黙るジェム。本当はダイバのお母さんだってダイバを守りたいはずだと言いたかったけど、聞いてはくれなさそうだった。

「我が切札メガリザードンXを前にして漫才とは余裕だな貴様ら。さあメタグロスを出すがいい、同じく焼き尽くしてくれよう」
「……言ってろ」

 
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