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フロンティアを駆け抜けて
ぶつかり合う竜
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は、ダイバのメガメタグロスだった。真紅の翼が凍り付き地面に落ちる。

「何!?攻撃力は落ちていたはずだが……」
「僕のメガメタグロスはただ攻撃を受けるだけなんてしない。そっちが吼えてる間『爪とぎ』で攻撃力と命中力をあげておいた……さあ、後二匹だよ。ジェム」
「……! うん、もう一息だから頑張ろうダイバ君!」

 さっきの自分の気持ちをどう聞いていたのかはわからないけど、ダイバは一言自分に声をかけてくれた。それがうれしくて、ジェムはこぶしを握り締める。ジェムたちのポケモンは全員少なくないダメージを受けているがまだ四匹とも戦える。一方ドラコの手持ちは後二体。綺麗な金髪をさっと腕で梳いてそのままモンスターボールを手に取る。

「なるほど、追い詰められたか……ならば出てこいリザードン!」

 ボーマンダをボールに戻し、最後に繰り出すのは炎を尻尾に灯す恐らくは世界でもっとも有名な炎タイプのポケモン、リザードンだ。口からも炎を噴出しながら現れる。

「リザードンはドラコンタイプじゃない……でも」
「そう、メガシンカだ! だがただのメガシンカではない、我ら全員が生み出す最強の竜を見せてやろう!」

 ドラコの両耳のイヤリングが輝く。フィールドのフライゴンが、ボールの中の倒れたチルタリスとボーマンダが竜の咆哮を重ね合わせ、リザードンの身体と心を震わせる。ドラコは両腕を天に掲げ、竜と共に叫んだ。


「紅蓮の蜥蜴よ、火口を切り裂く咆哮とX(クロス)して新たな竜となり噴出せよ! 現れろ、メガリザードンX!!」


 咆哮が響き合い、負けじと放つリザードンの叫びが炎となって地面に落ちる。それが炎の柱となってリザードンを包み、更なる炎の熱を上げた。リザードンの体の表面が焦げて黒く染まり、漏れる炎がさらに温度を上げて蒼くなる。地面に降りたち、踏みしめた場所も焼け焦げていく。

「いけメガリザードンよ、あの鋼を焼き尽くせ!」
「キュキュ、メガメタグロスを庇ってあげて!」

 メガリザードンXの蒼い炎がメガメタグロスを狙う。それをキュウコンが割って入り代わりに受けた。当然ただの捨て身ではない。キュウコンにぶつかった炎が美しい尻尾に吸い込まれていく。

「キュキュの特性は『もらい火』。どんなに強い炎でも自分の力に変えるわ!」
「……メタグロス、『思念の頭突き』」
「いい判断だ。だがこちらもただの炎ではないぞ? 弾け飛べ爆炎!」

 キュウコンが庇ってくれた隙を活かし己の念力で攻撃を仕掛けようとするメガメタグロスだが、キュウコンに当たったはずの炎は周囲に炸裂してメガメタグロスにも焼け広がった。『弾ける炎』の技による効果だ。

「ごめんダイバ君、防ぎきれなかった……」
「そこまで期待し
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