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フロンティアを駆け抜けて
ぶつかり合う竜
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た体勢から持ち直し、飛翔した。

「いけフライゴン、『虫のさざめき』でラティアスを攻撃しろ!」
「ラティ、『自己再生』!」

 エスパータイプであるラティアスの苦手な虫タイプによる攻撃を、己の体を回復させることでやりすごす。よって大したダメージにはならなかったが、ドラコにとってもそれは本命ではなかったようだ。ドラコのもう片方のイヤリングとボーマンダの体が輝く。ドラコが天に両腕を掲げ叫んだ。

「渇望の翼、今ここに真紅となる! 蒼天を統べる覇者の一喝に震えるがいい! やれメガボーマンダ、『捨て身タックル』!!」
「……『コメットパンチ』」

 翼が鋭く、まるで血に染まったような翼のメガボーマンダが、メガメタグロスの拳と正面衝突する。それだけで轟音が響き、ジェムは自分のポケモン達ではまだ到達できない威力だと理解して固唾を飲んだ。

「メガシンカ同士のぶつかり合い……」
「だがボーマンダの『威嚇』の特性によりメガメタグロスの攻撃力は落ちている!」

 拮抗の末、メガボーマンダが拳を吹き飛ばしメガメタグロス本体に全体重を乗せた一撃を見舞う。ジェムは初めてあのメタグロスが大きなダメージを負うところを見た。四つの拳と本体がばらばらに吹き飛んだ。

「ダイバ君、大丈夫!? 今助けるよ!」
「……いらない、この程度の一撃で僕のメガメタグロスはやられたりなんかしない」

 強がるダイバの声に応えるように、四つの腕がメガメタグロスに集合する。とはいえ、体は削れ低空飛行で反撃の機会を伺うさまは追い詰められていると言っているようなものだ。『ハイパーボイス』などによるダメージも蓄積している。

「フライゴン、このままメガラティアスを攻め続けろ!」
「……お願いラティ、『癒しの波動』でメガメタグロスを助けてあげて!」
「ひゅあああん!」

 再び虫タイプの力を持つ音波が飛んでくるが、メガラティアスは躊躇うことなく回復効果のある波動をメガメタグロスに分け与えた。鋼の体が竜と交感し、その傷を癒す。当然、メガラティアスは『虫のさざめき』によるダメージをそのまま受けた。

「ありがとうラティ……ちょっと休んでて。行くよキュキュ!」
「わが身を挺して仲間のポケモンを守り、そのうえで交代か……ジェム、お前ダイバに惚れでもしているのか? 何故こいつのためにそこまでする?」

 ダメージの大きいメガラティアスをボールに戻してキュウコンを出す。その様子を見ながらドラコは心底不思議そうに言った。ジェムは少し考えを整理してから答える。ダイバも答えが気になったのか、少しの間攻撃の手を止めた。

「違うよ。ダイバ君とは三日前会ったばかりだし最初いきなりメタグロスで殴ってきたし……まあそれは私もダイバ君のほっ
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