第七章
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「またね」
「よかったらうちにも来てくれよ」
「ステーキを食べに」
「肉の質と焼き方には自信があるぜ」
勿論ソースもだ、味とサービスには自信がある。
「だからな」
「それじゃあね」
「妹さんもいるしな」
「よかったらね」
そうさせてもらうとだ、ジュリエッタも答えてだ。俺達はこの時からもデートをしてだった。店に来たジュリエッタとも親しく話して。
とんとん拍子で結婚まで決めた、結婚を決めてからピラールに笑顔でこんなことを聞かれた。
「今の気持ちはどう?」
「最高に決まってるだろ」
俺は上機嫌そのものの顔で答えた。
「そりゃな」
「お姉ちゃんいいでしょ」
「ああ、真面目だけれど甘い趣味でな」
「そのギャップがいいでしょ」
「性格いいな」
「私に似てね」
「いや、そこでそう言うか?」
俺は思わずピラールに問い返した。
「そんなことを」
「駄目かしら」
「性格は似てるけれどな」
それでもだ。
「性格いいって自分で言ったら駄目だろ」
「自己ピーアールは欠かさないから」
「それでか」
「そうよ、こう言うのよ」
「やれやれだな、けれどな」
「お姉ちゃんはっていうのね」
「ああ、一緒に楽しくやれそうだな」
「そうしていってね」
「デートしたり一緒にいてもな」
そうした時を二人で過ごしているとだ。
「甘い楽しい時間になってな」
「ずっとそこにいたくて」
「決めたんだよ」
結婚、それをだ。
「それをな」
「そういうことね」
「ああ、あとな」
「あと?」
「いや、何か急にな」
そろそろ夜の客が大勢来る時間だ、ピラールもカレッジの講義が終わって店に来た。
「いつもと違う曲をかけたくなったな」
「ポップスやロックじゃなくて」
「今のな」
「じゃあどの曲をかけるの?」
「親父が好きだった曲でな」
それにだった。
「今の俺の気持ちみたいなな」
「そんな曲なの」
「プレスリーな」
俺は笑ってピラールに話した。
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