第五章
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たのではなかった。グンドゥラ、他ならぬ目の前にいて一緒に踊ってくれる様に頼んできている彼女が声をかけてくれたからだ。
一人で来たのではなかった。彼女が誘ってくれたからだ。そのことに気付いた。
一人では何もならない、今もこれからも。このことに気付いたのだ。
気付いた彼女はその手を前に出した。次に足も。
そしてそのうえでだ。グンドゥラの手を握ってこう言ったのだった。
「私でよかったら」
「一緒に踊ってくれるのね」
「ええ、よかったらね」
微笑んでいた。顔は自然に。
そしてその微笑になった顔で由実は言ったのである。
「一緒にワルツ踊って」
「有り難う。それじゃあね」
「ワルツは踊ったことがないけれど」
「私もね。殆どね」
なかったとだ。グンドゥラも微笑んで答えてきた。
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