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Love Me Tender
第二章

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「生涯の伴侶をってな、けれどな」
「それでもか」
「まだ相手は見付からないか」
「どうしてもか」
「本当にな」
 俺はついつい苦笑いで言うのだった。
「相手に巡り会いたいぜ」
「その顔とスタイルでもだよな」
「仕事もちゃんとあるのにな」
「店もそこそこ繁盛してて」
「それでもか」
「ああ、それでもな」
 まただ、俺は言った。
「相手はいないな」
「何かそうしたイベントに出たらどうだ?」
「相手を探すな」
「そういうのもやってみたらどうだ」
「ここは」
「考えておくな」
 実際俺もそろそろ三十だ、結婚のことも考えていたにしてももうこの歳だ。だからだった。
 俺もそうしたイベントに出たりすることを考えていた、だが。 
 そんな中だ、店にカレッジの学生が来てこんなことを言ってきた。
「アルバイト募集してるって聞いたけど」
「そうだよ」
 その通りだとだ、俺はこうその学生に返した、黒い縮れた髪の毛を伸ばしていて目は黒い。肌は褐色がかっていてやや小柄だ。一目でヒスパニックだとわかった。ジーンズとシャツがよく似合っているのはスタイルがいいからだ。
「それであんたはだな」
「面接で来たんだけれど」
「じゃあ今からだな」 
 ここでだ、俺は店員の一人に言った。
「ちょっと面接するな」
「ここで、ですね」
「席も空いてるしな」
 いい具合に飯時が終わった、それでだ。
「そこ使って面接するな」
「はい、それじゃあ」
「ここ任せたな」
「肉もですね」
「注文があったら頼むな」
「そっちも」
 頼りになる店員だ、接客も料理特にこの店の売りのステーキについては万全だ。だから今は任せてだ。
 俺は学生の娘の面接を空いている席でした、そこで最初に言った。
「店の前の貼り紙見てか」
「来たのよ」
「そうか、それじゃあな」
「ウェイトレス募集だよね」
「そうさ」 
 俺は笑って学生に返した。
「それであんた経験は」
「昨日まで喫茶店でやってたさ」
 そのウェイトレスをしていたというのだ。
「それで今日からのバイト先を探していたんだよ」
「前の店何で辞めたんだ?」
「バイトの契約が切れてだよ」
「問題起こしたんじゃないのか」
「ああ、そうだよ」
 軽い口調で身振りまで入れてだ、俺に言ってきた。
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