第一章
[2]次話
Love Me Tender
テキサスはよくアメリカじゃ特別だとか言われる、かつては一つの国だったし今でも西部劇の舞台だったことや石油とかで言われる。
男臭いだの男が偉そうにしているだの言う奴もいる、けれど俺はこのテキサスで生まれ育ってきた。
このテキサスが好きだ、だからよくこう言っていた。
「テキサスはテキサスでいいんだよ」
「このままでいい」
「そう言うんだな」
「ああ、これもアメリカだろ」
テキサスでもとだ、俺はいつも友人達に言っていた。
「それならいいだろ、そりゃ女性は大事にしてな」
「差別もよくない」
「それはだよな」
「ああ、駄目だけれどな」
それでもとだ、俺はいつも言っていた。
「けれどな」
「それでもか」
「テキサスらしさはそのままか」
「昔ながらの」
「カウボーイっていうかな」
俺はいつも笑ってこの連中の名前を出した、住んでいるのはヒューストンで工場近くのステーキハウスを親父から受け継いで経営しているがこう言っていた。
「そのスタイルでいいだろ」
「牧場でいつも牛を追っている」
「ならず者が来たらやっつけるか」
「それでいいだろ」
こう言っていた。
「そのスタイルでな」
「昔のテキサスのままか」
「これでいくか」
「そう言うんだな」
「そうさ、俺はこのままさ」
テキサスのだ。
「ずっとな」
「そうか、それでか」
「店もやっていってか」
「生きていくんだな」
「こういう奴がいてもいいだろ」
昔ながらのカウボーイみたいな生き方でもとだ、俺は考えていた。
「だからこれでいいさ」
「御前がいいならそれでいけよ」
「俺達があれこれ言うことじゃないしな」
「俺達は美味いステーキが食えたらそれでいい」
「そうしな」
「そして早く結婚しろ」
いつもこのことも言われた。
「奥さん迎えろよ」
「もう三十なのに独身だからな」
「折角顔もスタイルもいいのにな」
何でもジェームス=ディーンみたいらしい。
「まだだからな」
「だから余計にだよ」
「相手見付けろ」
「それで結婚しろ」
「わかってるさ」
俺自身もだ、実際にわかっている。それでこういつも言っていた。
「けれどな」
「このことはか」
「相手に会えない」
「そう言うんだな」
「そうなんだよ」
苦笑いでの返事だった。
「これがな」
「まあこれはな」
「神様が導いてくれるからな」
「神様にお願いするしかないしな」
「どうしてもな」
「いつも教会で願ってるさ」
実際にとだ、俺は答えた。
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