第五章
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「見ての通りよ」
「ちょっと酷くない?」
「ありのまま言ってるだけよ」
居直りは全く変わっていなかった。
「そして変えないから」
「だから酷くない?」
「不健康で不潔な生活送ってたこと言うのが?」
「そうだよ、それは」
「だったら健康で清潔な生活を続けることよ」
最初からそうしておけというのだ。
「もうね」
「やれやれだね」
「やれやれじゃないわよ」
それこそというのだ。
「それに昔のことを話したけれど」
「今はなんだ」
「私がちゃんとさせてることも言ってるから」
「それって彩加の功績じゃない」
「だったら自分の功績も作ったらいいでしょ」
「そこでそう言うんだ」
「というかそんな酷い生活なんてね」
それこそと言うのだった。
「普通の仕事じゃ出来ないでしょ」
「いや、長い間お部屋に籠って研究とか開発もするし」
「自然とそうなるの?」
「大学からそうだったしね」
「院でもだったの」
「うん、思えば子供の時から熱中すれば」
学校の勉強にだ、特に算数と理科はそうなっていた。つまり耕太はこの頃から根っからの理系だったのだ。
「お風呂も御飯も忘れてたね」
「それで今もなの」
「ついつい二週間位はね」
研究所で開発等に没頭していればというのだ。
「そうなるから」
「だからそういうのをあらためろっていうの」
妹の顔は牙を剥かんばかりになっていた。
「どうせ煙草を吸うのは忘れないんでしょ」
「うん、それはね」
「早死に一直線じゃない、だからね」
「そういう生活をなんだ」
「するなっていうの」
絶対にという口調だった。
「いつも言ってるけれど」
「何で怒られる形になってるの、僕が」
「当たり前でしょ、そんな生活をしてる方が悪いのよ」
「それって浮気をされた方が悪いってのと同じじゃ」
「その場合は浮気をした方が悪いでしょ」
大抵のケースはというのだ。
「そんなガチャ目でスキンヘッドのコメンテーターみたいなことは言わないわよ」
「ああ、あいつね」
「私あいつの全部が嫌いだから」
それも大嫌いという口調だった。
「あんな倫理観じゃないから」
「まあそれはね」
「しかもいいことも言ってるでしょ」
こちらもありのままだというのだ。
「勉強出来て暴力振ったり変なことはしないって」
「後の二つは普通じゃ」
「その普通を出来ない人が多いの」
世の中にはというのだ。
「DV男とか痴漢とかね」
「だからそういうのは」
「しないだけずっとましよ」
そうした連中よりはというのだ。
「そうしたことも言ってるから、私の着替えとかも覗かないでしょ」
「そんなの覗いて楽しい?」
逆に聞き返す耕太だった、スーパーの中で二人で水炊きの食材を集めながらそう
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