第9話
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「ドローソースはこれで十分だろう。とにかく掘りまくってキーカードを用意しないと。あ〜、【融合】は2枚で【置換融合】を1枚突っ込んで、【融合回収】は1枚あれば、いや、2枚積むか?本番のことも考えると【マスク・チェンジ】は入れたくないんだよな。【ミラクル・フュージョン】は3枚、モンスターは全部ピンでいいか」
前夜祭のエキシビジョンに向けてデッキの調整を急ぐ。まさか連れられたその日が前夜祭とかスケジュール詰めすぎだよ。Dホイールの練習もしておきたいのに、それに加えてアクションデュエルの要素を加えた【クロス・オーバー・アクセル】を使用するだなんて。
「とりあえずメインの40枚っと。EXは下手にエクシーズを入れるよりも融合オンリーでいいよな。この15枚でいいよね」
用意したデッキをケースに収める。丁度いいタイミングでノックされる。
「どうぞ」
「失礼します。スーツとヘルメットです。サイズは合っているはずです。市販の物をサイズ調整しただけですので、微調整が必要なら直ぐにできます」
「ありがとう、助かるよ。すぐに着替えるからちょっとだけ待ってね」
一流のマジシャンでもあるオレにとって早着替えは必須スキルでもある。10秒で着替え終え、練習用のコースに案内してもらう。Dホイールに搭乗し、簡単な操作のレクチャーを受けてからデッキをセットして走り出す。意外と安定しているけど、思った通りには動かせない。無理な走りはできそうにない。【スカルライダー】に乗ってのデュエルの方が楽かな。
無理矢理時間を作ってもらったので練習に時間を執れなかったけど、無様な姿を晒さずにすむ。一度控室に戻り、ソファーに寝転がって本番までの時間を潰す。
「そろそろお時間です」
「うあっ?ああ、もうそんな時間?」
ソファーから飛び起きて伸びをして体を簡単に解す。
「うっし、行こうか」
移動中、何度も案内の少年がチラチラとオレのことを見てきていた。
「どうかしたのかい?」
「あっ、いえ、その、榊遊矢さんは、他の地区でのチャンピオンなんですよね?」
「そうだよ。まあ、正確にはチャンピオン代理ってのが正しいかな。本来のチャンピオンが行方不明で、ちゃんとデュエルで勝ったわけじゃないからね」
「でも、変わらなかったんですよね」
「どういうことだい?」
「キングは、変わってしまった。コモンズのスラムで育った彼はキングになり巨万の富を得てから僕達を見下すようになってしまった。ずっと、応援していたのに。カードがなければくれてやる。お前にふさわしいカードをなって、このカードを」
「【調律の魔術師】じゃないか。効果は微妙に違うけど」
案内の少年が見せてくれたのは【調律の魔術師】単体では使い難さ抜群だけど、
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