稀少な食材で一時の休息を
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成し、クラインが音頭を取った。
テーブルには様々な料理が並べられており、その全てが良い匂いを出していた。
「遠慮なく?本当に良いのね?」
「え?お、おう。そのための料理だからな!
それに俺はついてるからな!フライング・バッファローなんかまたドロップさせてやるぜ!」
「おおー!じゃあクラインの分も食べれるわね!」
「ええ。またドロップさせられるなら今回は見送っても問題ないわよね」
クラインの男泣きが予想できた。
「えぇ?いや、俺も…」
「何だ?さっき言ったのは嘘だったのか?」
「そうね。でもクラインが言うなら…遠慮した方がいいのかしら」
「うぇ!?」
「クラインさん…そうですよね」
「いや、あの…」
「あーあー折角お腹一杯食べられると思ったのになぁ」
「ぐ、ぐぬぬ…」
コイツらホントにノリが良いな…クライン敗けが確定してるじゃねぇか。
そのうち虚勢はって後悔し始めるぞ…。
「おおよ!S級食材なんて幾らでも取ってこれるからな!俺のことは気にせず、鱈腹食ってくれ!」
ほらみろ…。まぁ、仕方無いよな…。
と、そんなわけでクラインを除いた皆が次々に取り分け、食べ終わる頃にはヒレ肉が二枚残るだけだった。
「最後の二枚だな…」
「…悪かったわよ。だからそんなメソメソ泣かないでよね」
「な、泣いてねぇし!」
「ほら、クラインが食べろよ。一応、クラインが取ってきた肉だからな」
「キリの字ぃ…」
案の定男泣きを披露したクラインは、手をさしのべたキリトに泣きつく。
まぁ問題は無い。
「きゅるぅ…」
「え?ピナってああ!ごめんねピナ。ピナの分忘れてた!」
「えあ!?」
「シリカ…」
これはヒドイ。残った肉を颯爽と箸で掴み、ピナへと持っていったシリカ。
皆唖然。此ばっかりはどうすることもできない。
「シリカの所業に全クラインが泣いた」
「あっ、ごめんなさいぃ!悪気はなかったんです!」
「さすが、《クライン・バッキャロー》…こう言うことも予想されていたと言うことか」
「止めてやれよ…最初に言った俺もそうなんだけど」
無言で床に手をつくクライン。
俺はゆっくりと寄り添い、肩に手をおいて振り向かせた。
「ケン…?」
「まぁ、こうなるだろうなぁとは思ってたからな…ほら、お前の分は取っておいた」
「う、うおぉ…おおおおお!ケェェェン!!」
「うわ、抱きつくな!料理おとすぞ!」
「心の友よぉ!」
「ジャイ○ン!?」
こうして蟠りを残すことなく、その日は盛り上がった。
「そう言えば…何か忘れてる気が…」
OSSについて思い出した頃には、皆解散していた。
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