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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#50
FAREWELL CAUSATION]〜Made in Inferno〜
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のは、現在北米大陸の地下深くに
安置されているアルモノ以外存在し得ない。
 ある種のスタンドがその特性故に災厄となるコトは在るが、
コレはソレと比類してもケタが違い過ぎる。
 極絶の行使力、大陸の地殻第3層まで刳ってしまった特大の闇孔は、
最早ヒトの()める領域(ばしょ)ではなくなってしまったのだから。
 地球の真核(コア)へと続く深淵、そこまでの大惨状を引き起こしたにも関わらず
真王は、一瞥は疎か葉鳴りひとつ動かさず背を向けた。
 微細な虫螻を潰して感傷に浸る者などいない、
戦闘や勝敗とは根本的に違うモノ、
ソレが “淘汰” だ。
「お兄、サマ……」
 底無き闇孔に、一瞬その姿を垣間見たもののそれは虚ろなる狂気が生み出す幻影。
 彼女はこれからもそれを探し続けるのだろう、
この地上が壊滅の焦土と化し、虫一匹、草一本生えない世界と成り果てても、
常闇の真王の手の中、永劫に。
 破滅の化身は動き出す、絶望という言葉にも当たらない、
消えた二つの存在は、希望と呼ぶには余りにも儚き光なのだから。
 そう、生きていようと生きていまいと……
「……」
 ゆっくりと動き出した暗黒の巨魁を見据えながら、
甲冑の少女はビルの屋上で放心していた。
 遠間に見える闇孔、乱れない断面を覗かせる周囲のビルが
そのまま呑み込まれていきそうな存在感に
躰が(おこり) を犯したかの如く震える。
 紅世の王の顕現は、今までの経験上その凄まじさは熟知している。
だが 「在る」 事より “無い” というコトがコレほどまでに怖ろしいとは。
 そしてそのような災禍に見舞われながら自分が生きているという事実、
それがまるで奇蹟のような、奇蹟としか云い様のない畏怖を精神に刻みつける。
 どうして助かった? そういえば……
「……」
 極限の恐怖と安堵、その相克により停止していた意識が傍らの存在を見失わせた、
戦闘者である自分でも放心するほどの事象、並の人間なら発狂してもおかしくない。
「……ぃ…………ょ…………ぃ……ょ…………ぅ……」
 両膝をついたまま、自分の前だというのに泣きじゃくる少女。
 躰の震えは自分の比ではない、許容以上の負荷により、
何が怖くて何故泣いているのかも解っていない状態だ。
 でもそれは「逃げた」という事をはっきり認識しているから起こる現象、
というコトはつまり。
『……』
「おまえの、おかげ?」
 跪き光を透かす手を少女の肩に当てるスタンドにシャナは歩み寄った。
 途端、火花がついたように鋭い視線をこちらに向ける、
敵意や殺意、何れとも似ているが違う、まるで子を護る親鳥だ。
「わかった、わかった。 さっきは言い過ぎたわよ。
少なくとも敵じゃないから今はやめて」
 意志を持
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