第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#50
FAREWELL CAUSATION]〜Made in Inferno〜
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という表現も当らない、
全 致 命攻撃と成って射程のスベテを埋め尽くしたのだ。
後の惨状は修羅が駆け抜けたが如し、多数の斬痕すら遺らない、
アスファルトが消滅し土台のコンクリートとその下の岩盤すら抉ってしまっていた。
最早策や技、能力の通用する次元ではない。
吉田のスタンドも、その成長性に視るべきものはあるが
この場合象と蟻の戦力差にすらならない。
「む、無理ですよ……絶対に無理ッ! 勝てるわけありません! あんなの!!」
何時、さっきの斬嵐がこちらにクるか、
もう次の瞬間かもしれない窮地に鼓動は限界を越えて全身に響いた、
既にスタンドは彼女を抱え離脱体勢に入っている。
敵う筈のない相手に向かっていくのは勇気ではなく無謀。
ソレくらいは戦闘経験の(非常に)浅い少女でも解っている。
故にもう一人の少女はそれを一瞥しただけで視線を戻した。
別段失望や諦念、明日屠殺される家畜を視るような表情ではない。
寧ろ彼女の反応こそが自然、自分の方がズレているのだと
妙に落ち着いた気持ちで再認しただけだった。
「だから “その程度のヤツ” が首突っ込むなって言ったのよ。
一度や二度マグレが続いたからって、戦いを舐めない方がイイ。
寧ろそっちの方が却って危険よ。
勝手に酔って熱噴いて、周りを巻き込んだまま
抜き差しならない状況に陥らないと眼が覚めないンだもの。
それで結局私に助けを求めるとか、フザけるなって話よね」
「……ッ!」
あからさまに一線を引かれた頭上からの言葉、
そりゃ自分は人並み以下の女子高生かもしれないが
私の能力は、スタンドは――
「あ、あ、あんなのと戦おうなんて考える方がオカシイんです!
どう考えたって無理じゃないですかッ!
戦えるなら私だって!」
「その “あんなの” が、封絶の 『外』 に出ていったら、
どうなるでしょうね?」
「――ッ!」
言葉を遮られると同時に少女は絶句した。
「関係のない人間とまでは言わないけれど、
“アレ” がおまえの家族や友人を避けて襲ってくれるとイイわね?
最も、その間に何万人、何百万人死ぬか解らないけれど」
暗黒大樹その頭頂部に、巨大な一つの兇々しき眼が出現した。
スベテを蔑みスベテを嘲笑う、現世の存在など須らく己を愉しませる
供贄に過ぎない、一片の慈悲もなき恫線。
人間が微生物に感傷を持たないのと同じように。
まだ、そんな所に這い蹲っていたのか?
逃げる知能もないのか?
そんなに死にたければ殺してやる。
フレイムヘイズとスタンド使い、両者の異能に感応したのではない。
強者と弱者という区分すらない、人間がさしたる理由もなく虫螻を捻り潰すように、
二人
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