第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#50
FAREWELL CAUSATION]〜Made in Inferno〜
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一人じゃ、ありません」
自らの足で立ち、苦難に立ち向かおうとする者を、
天は、人は決して独りにはしない。
原初の刻から在った真実をそのまま投影するように、
瑠璃色の光を鏤め両翼を携えたスタンドに抱えられた
少女が眼前に舞い降りた。
「おま、え」
予期しない、誰かと違える事も無い、
余りにも意外な人物が少女の視線を受け止めた。
最初の邂逅から再開まで、まだ二時間と経過していない。
だが二人は、その様相も然ることながら内面の変化に瞠目した。
まるで数年も戦いの最中を掻い潜ってきたような鮮明なる気配を
互いに否応なく感じ取った。
「無事で、何よりです」
鎧? スタンドとは違う異能の存在を注視する少女に
「そう見えるの? 何度か死にかけたわ」
何その服? と別の意味合いで少女が返す。
「……」
「……」
味方同士ではあるが微妙に険難な雰囲気、
すぐそこに暗黒大樹が聳えているというのに。
「空条君は?」
くだらない口論をしても仕方がない、
それくらいの割り切りは出来るようになった少女が問う。
「眠ってる。もう、この戦いには参加しない。
“アレ” も、私一人で何とかする」
関係ないでしょ、と、どこぞの伝説的プロモーター張りに視線を切る少女、
微力でも増援は地獄柱の裂け目のように有り難いこの状況で
吉田の存在は眼中にない。
「そ、そんな言い方」
「何が出来るの? おまえに」
無慈悲な一刀両断で切り捨てる少女。
この状況で別に彼女の事が気に入らない等という低次元な理由ではない
(気に入らないが)
この戦場、この領域で未だ生き残っているという時点でその実力は察して然るべし。
先刻の一斉破壊も策略というよりは何かの「能力」の
印象が強いのでそれは彼女の功績かもしれない。
だからといってそれ以上望むのは過信というもの、
自分はこの女を信用してない、してない以上信頼も在る筈がない、
不確定な状況で中途半端な能力は却って迷惑だ。
「……」
という言説を無明の双眸に込め一瞥で叩きつけた少女、
戦闘者でなければ半時は再起不能に陥る眼圧である。
「……!」
片や少女は一瞬怯んだものの、即座に朽木倒された精神を立て直し反駁を試みる。
自分だけなら兎も角(それは言われても仕方がない、少し活躍した程度で調子に乗るほど莫迦でもない)
その 『能力』 に対してまで無能扱いされるのは流石に業腹だった。
“彼女” は、本当にスゴイのだ。
『……』」
その気持ちが伝播したのか眼前の小娘を “敵” と判断した
スタンドがオートで動き出そうとした刹那。
ヴォァッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
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