幻想少女の月捜索
それは幻のように
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中のテロリスト達が……
そもそも優勝するためにはあのハーウェイ家次期当主であるレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイを倒さないといけない
実戦で使えるコードキャストは特殊な毒針を放つ Stab_harm 姿を透明にしたり別のモノのようにみさせる disguise_shape
一応糸島家が現代まで細々と受け継いでいった決着術式もあるが戦闘では使えない
「やっぱりやめとこうかな……」
魔術の塔の一室でそう呟くと外に人の気配を感じた
「何をしてるんですか?」
「あら、どうしてばれたのかしら?」
部屋に入って来たのは修道服の上に無理矢理白衣を着た銀髪の女性
理乃先輩が消えて原因の一端であるマリアと名乗る女
かなり調べたところ ジラント・ウロボロス と名乗っていた時期があったらしいので恐らくそれが名前のようだ
私が知っている中で最も危険な女、理乃先輩や他の出会ったことのない魔術の塔所属のウィザード達は全員この女を異常なまでに信じ込んでいる
その勢力は西欧財閥の中のみでなくテロリストの中にも信奉者がいるらしい
特に最近は指名手配されている破戒僧とよく接触しているという情報を入手した
教会に対してもかなりの権力があるらしく聖人候補とされている
「まさかあんな子供騙しみたいな方法で私に気付かれないとでも思ってたんですか?」
「あらあら、辛辣ねぇ優衣ちゃん」
「優衣って呼ばないでください」
こんなのが聖人だとは笑わせる西欧財閥を中から腐らせ自分に力が集まるように小細工して一体何を企んでいるのか……
理乃先輩と同じように私も信奉者にしようとしているようだが真っ平御免だ
「私は優衣ちゃんのことも理乃ちゃんと同じように愛してるのに寂しいこと言わないで」
「反吐が出ますね、早く本性を露わにしたらどうです?」
「いつだって本心で話しているわ」
睨みつけても怯まず不気味な笑みでこちらを見つめてくる女
眩暈がしてくる
「顔色が悪いわね……見てあげる」
「来るな!触るな!」
部屋から逃げ出してしまう
理乃先輩が居なくなってから最悪の日々だ
出会いこそ酷いものだったが彼女は聡明で私の憧れの人物になった
何より彼女は私のコードキャストdisguise_shapeに騙されなかった
どれだけ別人の姿になっていてもあっさりそれが私だと見破る
ウィザードとしては完敗だが私にはそれが心地良かった
disguise_shapeはただ見た目を変えるだけの能力だが私は自分の姿を変えることで人格を変える才能……のようなものがある
それは多くの姿になればなるほど本来の自分が薄れてしまう
でも理乃先輩が私を見てくれるとそれがリセットされるのだ
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