暁 〜小説投稿サイト〜
fate/EX=zero
幻想少女の月捜索
それは幻のように
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「んー、私は一体……?部屋はさっき入ったところのままか」

目を覚ました私は体に鎖を巻きつけられ拘束されていた
慌てて霊子ダイブを中止して現実に逃げようとしたがまるで私の意識は戻らない




私の体を拘束する鎖を目でたどっていくと天井に繋がれていると思っていたがそれは1人の少女まで繋がっていた
あれが噂の天才、佐々野理乃か

先ほど見たときと同じく機嫌良さそうにしていた
よく見るとこの部屋には私と佐々野理乃以外にもう1人いるようだった

佐々野理乃の目の前に置かれたベッドに寝ころばされている女は薬で眠らせられ佐々野理乃に体を弄られているようだ
霊子や魔術回路を弄られるなんてウィザードにとっては自分の才能 存在意義を弄られるようなものだ
そんなおぞましい行為をしていても彼女の機嫌が変わる様子はない




むしろ……彼女は微笑んでいる
とても可愛らしく

だがその瞳はこの部屋の何も見ていない
どこまでも深くどこまでも暗く濁っている少女の瞳に私は何故かとても惹かれたが今はそれどころではない

「私に何をした!!」

何度も何度も現実へ戻ろうとしているが私の意識はいつまでたってもここから抜け出せない

「……目が覚めたのね。あなたの体に巻きつけてる鎖は愚者の鎖、電子空間に入っている魂を拘束しているの」

愚者の鎖?
聞いたこともない道具だが魂を縛り付ける効果は物理的抵抗力を持たないウィザードにとって最高の拘束だ

電子空間に入るためには魂の物質化が必要な以上この鎖からは逃げられない


「私をどうする気?」
完全に迂闊だった
まさかこんなところで私が捕まるなんて……

私も実験体にされてしまうのか?
嫌だ……怖い怖い怖い怖い


「うーん、そうねぇ。あなた起源が結構表に出てるみたいだし面白い実験台になると思うの。」

「ッ……!」

「だからこれ飲んでくれるかな?」

満開の笑顔で私に見せてきたのは謎の白い塊
何かの薬物か!?

無理矢理薬を飲まされた私はそのまま意識が薄れていくのを感じた
ここで私は終わるのか?


「……あっは!あはははははははは!」

佐々野が本性を現したのか狂ったように笑い出した
まるで悪魔のようだ
そして…………

「ごめんなさい、冗談とかいうのを試してみようとしたんだけど失敗したみたいね。あなたが飲んだのはただの角砂糖だよ?」

「…………え?」

「怖かったよね?ごめん、ついついマリアの真似をしたくなってね。そういえばあなたは誰?」

鎖を解いて私の頭を撫でてくる少女を相手に私は反応できなかった
冗談?角砂糖?


「あ、マリアが帰ってきたみたい。マリアー!!」
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