第四十八話 進路を決めてその八
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「俺達は友達なんだよ」
「私が女の子になっても」
「そうだよ、事実で疚しいところがないからな」
「それをお話して」
「信じてくれなかったらそれまでさ、それにそこから変な噂が出てな」
そしてというのだ。
「何かされてもな」
「それでも」
「俺は構わないさ、一人じゃないんだからな」
「一人じゃない」
「御前がいるからな」
優花に顔を向けて言った。
「だからな」
「それを言ったら私も」
「そうだろ、俺達は一人じゃないんだ」
「友達だから」
「優子さんもいてくれて」
彼女の名前も出した。
「他にもいてくれるからな」
「一人じゃないから」
「だからな」
「何があっても」
「俺は平気さ」
こう言うのだった。
「本当にな」
「龍馬強いわね」
「強いか？俺」
「ええ、強いわ」
「そうか？喧嘩とかはしないぜ」
「喧嘩が出来て強いならヤクザ屋さんじゃない」
優花は龍馬が喧嘩のことを言うとすぐに否定して返した。
「そうでしょ」
「ああ、それはな」
「そうでしょ？ヤクザ屋さんは強い？」
「そうは思えないな」
「そうでしょ、嫌な人達であるだけでね」
「物騒だってな」
「そう思うだけで」
そしてというのだ。
「強いとは思えないわね」
「確かにな」
「だからね、そういうのじゃなくて」
「強さっていうのはか」
「そう、心がどうかのよ」
「心の問題か」
「龍馬の心は強いわ」
今彼の言葉を実際に聞いたうえで思ったことだ。
「とてもね」
「そうか、俺は心が強いのか」
「だから強いの」
「そうなんだな」
「彼女さんにも私のこと隠さずに言えて」
「それで信じてもらえなくてそれからどうなってもか」
「私達がいるから大丈夫って言えるなんて」
それはというのだ。
「本当に強いわ」
「だといいけれどな」
「そう、私も受け入れてくれたのよ」
「御前が女の子になっても」
「こうしてね、私龍馬と姉さんがいてくれたから今があるから」
優花は微笑みながらも少し泣きそうな顔になっていた、その時のことを思い出して。
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