第八幕その七
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「もうね」
「ウーガブー王国の領土とは」
「思わないし」
五千メートル以上下ならというのです。
「だから断ることもなかったし、それに」
「それに?」
「贈りものはその謝罪ね」
「はい、領土の下に来ましたから」
「この国の領土はそこまで深くはないわ」
五千メートルもというのです。
「私達の作物も資源もないから」
「だからですか」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「私の欲しいものは全部私達の国の木や田畑、お水にあるから」
「資源もまた」
「そう、だからそんな下までは」
到底というのです。
「意識していないから」
「だからですか」
「贈りものもね」
林檎や装飾品もというのです。
「別に」
「いえ、これは絶対にです」
「私に受け取って欲しいの」
「はい」
使者はアンにはっきりと答えました。
「そちらは」
「それはどうしてなの?」
「ウーガブー王国に下にまで領土が及んだことは事実です」
例え五千メートル以上下でアンがいいと言ってもです。
「ですから」
「林檎と装飾品はなの」
「受け取って下さい」
「どうしてもなのね」
「我が王からのお気持ちです」
「それじゃあね」
アンも使者の人が強く言うので頷きました、そしてです。
その贈りものを受け取ることにしました、使者はアンに贈りものを受け取ってもらったことを確認してからでした。
あらためてです、アンに言いました。
「そして後日我が王もです」
「この国に来られるのね」
「そうしたいのですが」
「このことも予想通りでしたね」
今度は大尉が言ってきました。
「ノーム王が訪問してくる」
「ええ、そうね」
「このことは私が予想していましたが」
「その通りになったわね」
「このことも」
「では」
アンは昨夜お話した通りにです、使者に言いました。
「是非共」
「我が王が訪問してもですね」
「是非いらして欲しいとね」
アンは使者に微笑んでです、また言いました。
「お伝えしてね」
「はい、それでは」
使者はアンに礼儀正しく答えました。
「我が王にお伝えします」
「それじゃあね」
こうしてでした、使者はアンに深々と一礼してそのうえで、でした。ノームの国に戻りました。この会見にはドロシーもジョージ達もいましたが。
使者が帰ってからです、トトが最初に言いました。
「このことかな、これからこの国に起こることって」
「ノーム王の訪問ね」
「そうなのかな」
こうアンに言うのでした。
「予想していたことだけれど」
「そうかしら」
「そうじゃないかな」
トトはまたアンに言いました。
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