一話
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「その名前で呼ぶのはお止めくださいとなんで申せばお分かりいただけますか?《魔呪一族》の現当主、サイカ・アカツキ様?」
「なら俺もその名で呼ぶのは止めてもらおうか、ププッピマリー。今の俺は個人のサイカで来ている。当主の状態なら文句は言わんが、魔剣使いである俺にはその名で呼ぶのは止めろ」
サイカは真顔で背中のロックされた禍津狼炎に触れると、ピピップマリーは一歩下がる。
「......これは失礼いたしました。では奥へご案内いたします、どうぞこちらへ」
ププッピマリーは反転すると、奥の方へと歩を進める。
「......俺らもいくぞ、カグツチ。警戒は怠るなよ」
「分かっておるわ、主こそしくじるなよ」
サイカとカグツチは警戒しながら、ププッピマリーの後ろを歩く。
歩を進めてから三分くらいだろうか、目的の場所に辿り着く。
「あら、良く来たわね魔剣使いサイカ」
椅子に優雅に座るこの少女こそが、かの王の称号を持つもの。
《司書王》ロルリアンレット。
サイカは警戒を解きながら、ロルリアンレットの対面の椅子に座りながら禍津と狼炎をアンロックした。
「......で、見付けたのか」
単刀直入にサイカは話を切り出す。
ロルリアンレットはププッピマリーに新しく出された紅茶を飲むと、その口を開いた。
「......ええ。少し骨が折れた、程度じゃすまされないけれどね」
ロルリアンレットはサイカを睨む。
サイカは睨み返すと、ロルリアンレットは話を続けた。
「出現場所、位置、状態は全てこの報告書に書いてあるわ。目を通しておきなさい魔剣使い」
ププッピマリーがロルリアンレットの代わりに神葬の報告書を差し出してくる。
それを受けとると、サイカはパラパラと早捲りしながら目を通す。
「......やはりユグドラシルか」
「やはり......ということはある程度目星は付けていたようね」
「当然だ、彼奴の行きそうな場所は幾つか心当たりはある。それに、彼奴の妹はユグドラシルに居るからな」
すると、ロルリアンレットは不思議そうな顔をする。
「姉妹魔剣......ってことかしら?でも私達はおろか、魔剣機関にも伝わってないのだけど」
「当たり前だ。......あいつらはその能力性能が高過ぎるせいで封印指定された実験魔剣だからな」
サイカは言うと、熱々の紅茶をイッキ飲みすると席を立つ。
「ごっそさん。報告は事後処理で頼む、いつもで悪いけどな」
「今更何を言うのかしら。共犯者に近いと言うのに」
ロルリアンレットは意地悪い笑みを浮かべると、サイカは少し笑っただけでその場を離れた。
ロルリア
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