ふたりの神様
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らそれでいいよ。前田のお姫さまのままでいいから、主のいるところに俺を連れていって!最期まで可愛がってね!あーるじっ」
またぶわりと花びらが舞い散った。わぁああ、なんだこれ。どっから吹き込んできてるの?前が見えないくらいの花吹雪。桜かなぁ。もとより、桜は大好きだからこれだけ吹き荒れてても不快じゃないどころか見惚れるぐらいだけど。
「清光、そもそも顕現されてる時点で俺たちはもうこいつの刀だ」
「それはそーなんだけど!でもほら、気分的に全然違うじゃん。無理矢理顕現させられたのと、自分で選んだのは。俺は主が主でよかったなぁ」
これは…連れて帰ることになってますね。神様…ふたり…いや、国広は別に着いてくるとか言ってないよね。じゃあ清光ひとりか。いやもう、いいや、神様のひとりやふたり。女前田瑠螺蔚、二言はないわよっ。
「わかった。清光、加州清光、よろしくね!あたしは前田のる…」
「おい!」
「主!」
「え、ここまできても名乗っちゃダメなの?あたしだけ二人の名前知ってるのはズルくない?」
「ずるくない!いいから黙っていろ!」
「いいの!主はもっと危機感もって!」
二人に諭されてもイマイチピンとこない。
「とりあえず三人?三柱?助けに行きましょうか。清光は一緒に来るとして、国広はどうする?」
「…あんたと共にいくと言った。何度も言わせるな」
なぜか機嫌を損ねたらしく、ぷいと横を向かれてしまう。
「なぜ清光はよくて俺は…俺が写しだからか…?写しの刀など無用ということか…」
そんでなんかブツブツ言ってる。
清光が寄ってきてこそりと呟く。
「主、まさか国広だけ置いていくなんていわないよね?」
「え…国広も来たいの?」
「そりゃそうでしょ!てゆーか俺よりも国広の方が主を大事にしてるよ。わかってる?」
「どこらへんが?」
「国広、主のためを思って主を逃がそうとしてたんだよ。俺は主が戻ると捕まるかもしれないってわかってても、みんなを残して逃げられなかった。全部わかってて戻ろうって言った。言い訳はしない。ごめん。嫌いになった?」
「気にしてないわよ。あたしが清光の立場でも同じ事するわ。きっと。てかあんた素直ね〜黙っときゃ良いのに。いいこ、いいこ」
冗談でまた頭をくしゃくしゃと撫でたらまたふわりと花が舞った。あれ、そもそも今…春だったかしら?
「…あんまり子供扱いしないでよね。見た目は主と変わんないかもしれないけど、何百年
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