ふたりの神様
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「ねぇ、待って」
「え、なに待ってる暇なんてないよあの白い服着たやつらなんかどこ行ってもワラワラわいてくるし」
「いいから、待って!」
その強い言葉にあたしは歩みを止める。
「…なに、どうしたの」
あたしが止まったから先をいく男も気づいて引き返してくる。
「なにをしているんだ。急がないと…」
「待って、国広。俺たちだけ逃げるなんてできないよ。歌仙たちも…」
「…。こいつをここから逃がすのが先だ」
「なに言ってんの!?よくわかってないけど、この人が出してくれたんでしょう?なら歌仙たちだって…!」
「…戻ることになる」
「わかってる!自分勝手だってことは。でも」
「ちょーちょーちょ〜どうどう。二人とも落ち着いて落ち着いて。今は争ってる場合じゃないでしょう?」
あたしは二人の間に割り込んだ。
「なにが心残りなの?」
あたしは立ち止まった方の男に聞いた。
「…あと、三振りいるんだ」
「サンフリ」
サン…三人ってことかな。
「わかった。つまり、まだ捕まってる人がいるってことね?よし、戻るわよ!」
「あんた…戻るということがどういうことかわかっているのか!」
「わかってるわかってる」
「軽く言うな」
「本当にわかってる。てゆーかあんたたちは逃げた方がいいわよ。またあの箱の中に戻りたくないでしょ?あたしは万が一捕まっても大したことにはなんないし多分」
「あんたは…審神者だろう。なぜあいつらに追われているんだ。俺たちを出したせいじゃないだろう」
出た。審神者。
「審神者じゃありません〜。道に迷っただけの…」
「審神者じゃない!?」
「えっ審神者じゃないの!?」
二人同時に食いつかれてこっちが驚いた。
「え?審神者…じゃ…ない…けど…?」
「いや嘘でしょう?そんな…」
爪紅の男はちらりとあたしの肩越しに何かを見て口をつぐむ。
その目は覚えがある。兄上が、霊力で見えないものを視ていた時の目だ。
「嘘じゃないわよ。えっとー、なに視てるのキミ?あたしに審神者の印でもついてる?」
「いや、印ではないが…初めてみるぞこんなに霊力のある人間」
爪紅男のかわりに布を被っている男が答える。
ぎ、ぎゃーっ!最終通告
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