アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
不穏な会敵
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。一呼吸置いて、スノウスフィアの成り立ちについてゆっくり語り始めた。
「今から1000年以上も昔の事です。このアージェントには《白皇》と呼ばれる一人の王が君臨していました。文献によれば、その頃既にアージェントでは次元航行理論が確立されており、かの古代ベルカの《聖王》や《覇王》とも交流があったと言われています。」
「そら……えらい凄い人やな。」
「ええ。その《白皇》がこのアージェントの危機に際して作り上げたのがスノウスフィアだと言われています。」
「危機?」
「ええ……当時のアージェントは発展しすぎた技術のせいで温暖化が進み、年平均気温は30℃を越えていたとされています。それを抑え、惑星規模で大気を冷却するためにスノウスフィアは作られました。白皇が自身のリンカーコアから作り出した物で、白皇以外には制御は出来ません。」
「惑星規模って……星ごと冷やしたってこと!?」
「その通りです、高町さん。そして、白皇の死後、スノウスフィアは十二個が相互にリンクし、互いを抑制しあう事で暴走を防ぎつつ、アージェントの気温を保ってきました。」
「……それがどうして、兵器になってしまったんですか?」
「一つで惑星の気候を左右できるスノウスフィアに、当時の権力者が目を付けたのです。奇しくも当時、強大だった白皇がいなくなり、アージェントの政治は揺れていました。それを一つに纏める為には、絶対の抑止力が必要だったのです。」
「分からない話やないけど……難しいところやなあ……」
「そして、スノウスフィアは兵器として使われる様になりました。しかし、分散したスノウスフィアは暴走した場合に止める術はなく……アージェントを氷河期に変え、スノウスフィアは十二個全てが眠りについたのです。」
「成る程なぁ……ドウェルさん、この話は割と有名なん?」
「まあ、アージェントの子供なら皆知っているでしょう。童話にもなっていますから。」
「そうですか……犯人は何でスノウスフィアの狙うのか、ますます分からなくなったわ……。」
「え?どうして?」
頭を抱えるはやてになのはが尋ねる。
「犯人はスノウスフィアが制御できへんって知ってるんやろ?そんなもん何でわざわざ欲しがるのか……。」
三人は気付いていない。暁人の目的がスノウスフィアの『使用』ではないことに。だから分からないのだ。
「ねぇ御主人様。いつ仕掛けるの?早くしないと艦に運び込まれるよ?」
「……いや、運び込まれてから、だ。」
主人の言葉にミミは自身の発達した聴覚を疑った。
「……わざわざ相手の陣地で戦うの?まともに戦っても勝てないって言ったの御主人様だよ?」
「今回はその『相手の陣地』を利用さ
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