第十一話:転校生と殺人鬼3
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を視界に収めると、オープン・チャネルで回線を開いてきた。
「貴様も専用機持ちか、織斑一夏。丁度いい、私と戦え」
棘のある声色がアリーナに反響した。明らかに敵意を込めた声だ。勝負を挑むにしてはあまりにも不躾な態度に一夏はむっとした。
「やだね、戦う理由なんて無いし先約が居るんだ」
一夏の反論に、ラウラは嘲笑を浮かべた。
「逃げるのか?仮にも教官の弟が?」
「千冬姉は関係ないね。そもそも物事には順序があるって習わなかったのか?」
「順序?……ああ先程からお遊戯をしているそいつらのことか?」
ラウラの嘲笑にカチンと来たのか、鈴のISが衝撃砲を具現化させたが、一夏は彼女を手で制した。
「よせ、鈴。挑発に乗るな!ラシャ兄が言ってたぞ。『容易く挑発に乗る奴はよく負ける』って」
その時、ラウラの表情が無に帰った。
「ラシャ……?貴様、ラシャといったか?」
「あ、ああ……そうだよ。それがどうかしたのか?」
嘲笑を浮かべていた時とは明らかに異なる威圧感に気圧されつつも、一夏は臆すること無く返答する。
「その男は編田羅赦という名前では無いだろうな?」
「ああ、だったら何だよ?」
一夏は自然と身構えながら告げる。一夏の変化を察したのかセシリアやシャルルは銃を構え、鈴音も青龍刀を構える。緊迫した空気がアリーナを満たす──と、思いきや。
「……ふん、あの男が居るのならば話は別だ。今日はこの辺にしといてやる」
ラウラはそう告げるとあっさりと背を向けた。
「ちょっと待てよ!ラシャ兄が何の関係があるんだよ!!」
慌てて一夏が向かおうとするも、顔面にレールキャノンの銃口を突きつけられてしまった。
「勘違いするな。私はお前たちを許さない。教官の栄光に泥を塗り、弱点で在り続ける貴様らを長く生かしておくつもりなぞ無い!!」
「なんだよ、何なんだよお前は…っ!!」
ラウラが出て行ったアリーナには、呆然とする一夏を始めとする生徒達が残された。
一夏達がアリーナで鍛錬を行っている頃、IS学園武道場にてラシャは千冬と対峙していた。双方が手にしているのは根本から三寸先で折れてしまった木刀だった。周囲にはかつて木刀であったのであろう木片が無残にも散らばり、先程まで武道場内を渦巻いていた激闘の軌跡が伺えた。
「やっぱ……木刀じゃあ……無理だぜ……千冬ちゃん」
肩で息を切らせながらラシャは何とか会話をする。対する千冬は少々赤く上気しているものの、まだまだやる気が十分有るようで若干不服そうな表情を浮かべている。
「だらしがないぞラシャ。もう少し根性を見せろ」
「俺とて……三十路に手が届いて久しい……後は下り坂だよ。緩慢に
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