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少年は魔人になるようです
第113話 少年は一計やらかすようです
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って埋め立てられ、あちらの

様子を窺う事も出来なくなってしまった。・・・でもそれでいい。

前に進むしかなくなった僕達は、再度楓さんの隠れ蓑に殆どのメンバーを収容して、

来た時以上の速さで地下に向かう。


「っどぉーーーーん!!」
ゴァッ!!
「っち、"防げ"ぇ!」


進んだのも束の間、階を二つ降りた広間に入った途端、目の前に黒色の混ざる炎の壁が

襲い掛かって来た。跳ねる様なテンションの高い声は、間違いない。


「随分遅い登場でござるな、もみじ殿。」

「しょーがないじゃん、私達だけバランス悪いんだから!」

「それは認めるけど、もみじはんが突っ走らんでネカネはんの言う事聞いとれば

もおちょい早よぉ帰って来れたんやけどなぁ。」

「う、うるさいなぁ!!」


もみじさんが恥じる様に叫ぶと、炎が取り払われる。

そこにいたのは、確かにバランスが悪い三人だった。近中距離のもみじさん、回復役の

木乃香さん、そして―――


「お姉ちゃん。」

「そうよ、ネギ。………まさかここまで来て、問う事があるの?」


無意識で呼んだだけだったけれど、それを勘違いしたお姉ちゃんに言外に話す事は

無いとあしらわれる。


「敵とは言え、家族に対し辛辣でござるなぁ……なぁに、ここを切り抜けたら好きな

だけ話せる。そういう訳でネギ坊主、こ「ここは私達ニ任せて先に行くアルよ!!」

おのれ古……。」

「フッフッフ、一回は言ってみたい台詞ベスト1!ここで譲れないネ!」

「それなら頭脳労働担当は私だね。ほら、行って!」


敵の編成に合わせて、楓さん・古さん・ハルナさんが殿を買って出てくれる。

本当は僕が残りたいけれど・・・個人的な感傷は捨てなければ。

でも、この選択で本当にいいのか?ラカンさん達さえ助けられれば逆転出来ると

思ったけれど、ここまで分断されたら・・・。


「おい!悩んでる暇はねぇ、行くぞ先生!」

「く……皆さん、少しだけ耐えていてください!」

「フッ、それは構わんが……別に、倒してしまっても構わんでござろう?」

「いいから専守防衛!これ鉄則!」

「普通に返さないで欲しいのでござるがなぁ。」


またしても三人を殿として残し、隠れ蓑から出た皆を風魔法で運びながら、

宮殿を下りて行く。

そして十分もしない内に、最上階の前の広間と同じ造りの広間に出た。と言う事は、

この先の部屋に、ラカンさん達がいる!

勢いもそのままに、部屋に飛び込むやいなや構えを取り―――


「よう、やっと来たか。」

「ラカン、さん……!」


部屋の中央に佇む愁磨さんと、
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