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少年は魔人になるようです
第113話 少年は一計やらかすようです
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思える魔力の重圧がかかった瞬間、アリカさんと千雨さんが

同時に帰還を告げる。

ここから動けず、ラカンさん達も動けず、外からの援軍も無い。最悪の状況であの

三人を好きにさせるなんて。一体どうすれば・・・!


「ああ、愁磨達が先に帰って来てしもうたから、主らは好きに動くが良い。」

「……成程、名目上の条件はあくまで五分で戦いたいと。」

「そういう事じゃ!そら、行った行った。妾らと紅茶を飲みたいというのであれば

残っても構わんがな。」


倒すべきかと覚悟を決めかけると、結界が解かれると共に自由にされた。

千雨さんは何事もなかったように納得して頷いてさっと席を立ったのに続き、部屋を

出ると『千の雷』を遅延させる。


「てかどうすんの!?最上階はあの様子だし……!」


と、少し走った所で明日菜さんが叫んだので、慌てて止まる。

意識共有をしていなかったとは言え、分かって欲しかった所はあるんだけれど・・・。

敵の動きに合わせる作戦が、引っ掻き回されて完全にご破算になってしまっている。

かと言って今更変えられる訳でも無い。


「こうなれば仕方ありません、全員で最下層に向かいましょう!」

「ここは行ても無駄と言うか、出入りもご自由にと言う感じでござるからなぁ。」

「中途半端に分散するよりゃいいが……おっさん達はまだ生きてんのか!?」

「あいつ等の実力は拮抗してる。そう簡単にゃやられねぇだろうよ。急ぐぞ!」


ジオンさんの言葉に、僕らは頷く。少なくとも、今は間に合う可能性が―――


「思うのは勝手だが、人様の庭でいつまで喋っているつもりだ、貴様ら?」

『『『―――ッ!?』』』


呆れ声が聞こえた瞬間、『雷天双壮』化して距離を取る。

発声源を振り返ると、目の前に紅い瞳が迫っていた。反射的に『天掴む雷神の双手』を

纏い、繰り出される攻撃をなんとか逸らす。


「ぐっ……!」
ガッ!
「ち、痺れるじゃないか。姉様に遊んでもらって腕を上げたな。」


当たり前の様に雷化した僕と同等の速さで攻撃して来たのは、エヴァンジェリンさん。

遂にぶつかってしまったけれど、この人数差だ。『雷天大壮』だけでも十分・・・!


「あらぁ、私達がお仕事している間にこんな所まで入り込んでいたのね。」

「やれやれ。君達は少し不作法が過ぎないかい?」


と、僕がフラグを立てると、エヴァンジェリンさんが通って来たと思われる影の

転移門から龍宮さんとしずな先生が現れた。

・・・近中遠距離全て揃っているこのパーティは拙いと気づいたこちらの殆どが、

本気の迎撃の準備を整える。


「ふむ、ま
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