第8話
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を召喚して掴まる。とりあえず街の外縁部から内縁部にまで移動して、下水の出口を見つけてそこから街に忍び込むことに。そこそこ移動してマンホールを押し上げる。おかしいな、変に重い気がする。マンホールをなんとか押しのけて這い上がり、元に戻して立ち上がり、ふらつき、壁に凭れる形になる。
「あれ?」
なんだ?身体がまともに動かない。おいおいおい、一体何が起こってる。膝が笑い始め、めまいまでしてきた。目が霞み、とうとう体を支えきれなくなって倒れる。意識が混濁していく中、聞き慣れた声が聞こえてくる。
「……ーゴ!?しっか……」
「ゆ、ず?」
柚子ではない誰かに抱きかかえられ、そこで意識を失う。
ユーゴにそっくりな彼を保護してから一日、未だに意識を取り戻さない。最初はユーゴだと思って連れ帰ったんだけど、見たことのないデュエルディスクにデッキも見たことのない機械族のデッキ。エクストラデッキには紫色や黒色の枠のカードが入っていた。それに、腰とジャケットの裏にはデッキホルダーがびっしりと付いていて、どれもが全く異なるデッキだった。シンクロモンスターのデッキもあったけれど、上と下で色の違うカードなんかもあった。それから風邪にうなされながら知らない人の名前やお父さんを呼んで、求めている。そして、何かに怯えている。
ここまでユーゴと違う部分が見えたら、顔はそっくりでも別人にしか見えなくなった。どんな人なんだろうな、この人は?これだけのカードを持ってるのだからトップスの人なのかな?それにしては全身ずぶ濡れだし、服も丈夫だし上等なものだけどトップスの人たちが着ているような感じでもない。なら、どこか遠くからの旅人?でも、移動手段も鞄も持ってなかった。どこかに置いているだけ?
「ぅぁ、こ、ここ、は?」
「気がついた?」
「……あ、ああ。君が、助けてくれたの?」
「まだ起きちゃだめよ。すごい熱だったんだから」
起き上がろうとする彼をもう一度寝かせる。
「すまない。この礼はちゃんとするよ」
「いいのよ、気にしなくても」
「それじゃあオレの気がすまないから。とりあえず、宿泊費の一部だとでも思って受け取ってくれ」
そう言って近くにおいてあったデッキケースからシンクロモンスターを取り出して私に渡してくる。
「【スターダスト・ドラゴン】」
「素材の制限なしでそこそこの攻撃力と守備力、自らをリリースして効果破壊を無効にして破壊する効果。そしてエンドフェイズに自己蘇生を果たす」
素材の制限がないのにこの性能、明らかにトップスの人達が使うようなカードだ。そんなカードを簡単に渡してしまうなんて、この人は一体何者なの?
「貰いすぎだわ」
「気にするな。余っている
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