艦娘とスイーツと提督と・EX2
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の状況だと全く嬉しくない。
「てーとくー……ちゅー♪」
「ファッ!?……ってか酒臭っ!」
思わず変な声が出た。腕を押さえ付けたまま、榛名の顔が迫ってくる。キスの形にすぼめられた口の隙間から濃いアルコールの臭いが漂ってくる。
「ちゅー!」
首を振って抵抗していたら、榛名の身体が上半身までズリズリと移動してきて、両足で腕をホールドされ、空いた両手で顔を固定されて榛名の顔が更に迫ってきた。これが野性の本能か、この場面で最も最適なホールド方法を思い付きやがった。
「や、止めろはるにゃ!酔いがひゃめたら後悔しゅんぞお前!」
顔をムギュッと潰されたまま、説得を続けた。すると榛名の動きがピタッと止まる。
「てーとくは……」
「ん?」
ポタリ、ポタリと顔面に落ちてくる雫。榛名の涙である。
「てーとくは、はるにゃの事、お嫌い、れしゅか……?」
ヒック、ヒックとしゃくりあげながら泣く榛名に、何だかこっちがいたたまれなくなってきた。抑え込まれて身動き取れなくされてんの俺なのに。
「待て待て、嫌いな奴なんかにケッコン指輪渡さねぇぞ?俺は」
「しゅきあり!」
「んむっ!?」
ズキュウウウウウゥゥゥゥン!と某漫画ならば擬音が付きそうな位の勢いでキスをされた。ごり押しと言ってもいい位の無理矢理で俺のメンタルを揺さぶった所に、嘘泣きの泣き落としで隙を作るとは……榛名、恐ろしい娘である。
「えへへー」
してやったり、といったどや顔で微笑む榛名。未だ馬乗り状態。
「榛名、お前なぁ……」
「てーとくーっ!」
ガバッ、と抱き付かれた。さっき上半身までにじり寄ってきたせいで服も半脱げ状態で密着される。あれやこれやが素肌ポロンでベタッと密着される。
「ちょ、待て榛名、さすがにこれ以上は」
「なでなでしてくだしゃい」
「……は?」
「ナデナデれしゅ」
むぅ〜……と頬を膨らませている榛名。何だこのクッソ可愛い生き物は。少なくとも、俺の知っている榛名ではない。
「……まぁ、その位なら」
頭を慈しむようにナデナデしてやる。榛名は撫でられつつ、顔を俺の胸板に擦り付けて来る。
『さ〜て、これで満足して大人しくなってくれると嬉しいんだが……』
「てーとくー?」
「何だ?」
「てーとくは〜……はるにゃの事、しゅきでしゅか?」
「…………?」
「はるにゃの事、しゅき?」
小首をカクンと傾げて、ニコニコしながら尋ねてくる榛名。ストレートに可愛い。
「…………」
さて、何と答えた物か。
「しゅーき?」
再び微笑んで尋ねてくる榛名。ヤバい、これは泣かせる
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