重なり合う咆哮
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た。地面に叩き落としさらにバウンドし、竜の悲鳴が聞こえる。
「まず一匹、厄介なメガシンカは消えた……! こんな邪魔な霧、なんてことない……!」
「フ……ハハハハハハッ!! 滑稽とはまさにこのことだな。この霧はお前の指示で出させたのではなかったのか? それを邪魔呼ばわりするとは……ならば、邪魔な霧は消してやろう!」
「えっ!?」
平然と霧を消すと言ったドラコに驚く。ラティアスの『ミストボール』による霧は確かに音による攻撃の威力を下げていた。それを消せるならなぜ今まで放置していたのか。
「フライゴン、『霧払い』だ!」
「フリャア!」
フライゴンが今度は音を出すためではなく、空気の流れを操るために羽搏く。それによってラティアスの発生させた霧は吹き飛び、フィールドの端で雫となった。特殊攻撃力を下げる効果が失われる。
「だったら、なんで今まで……それに、チルタリスが!?」
「完全に『コメットパンチ』は入ったはず……!」
霧が晴れた先で、メガチルタリスは地面に降りていたもののしっかりと立っていた。雲のような羽を広げ、闘志を見せる。
「当然、『コメットパンチ』を当てて来ることは読んでいた。そして狙うならば今までの意表をつき、かつ鋼タイプであることを利用しフェアリータイプのメガチルタリスを狙うこともな。だから攻撃が当たる前に『コットンガード』で守りを固め、地面に叩きつけられた後『羽休め』を使っただけの事だ。今まで霧を放置していたのは、姿が隠れることは音で攻撃する我が竜には然したる問題ではなかっただけのことだ」
メガチルタリスはほぼ全身が羽毛に覆われている。それを守りに使うことで大幅にダメージを減らし、回復させたということだった。渾身の一撃をあっさりと凌がれ、ダイバが呻く。
「ダイバよ、お前の指示通りあのタイミングで『ミストボール』を重ねていればラティアスは倒れ、挙句に霧は消滅していた……貴様は確かに強い。戦術も理には叶っている。ヴァーチャル相手なら百回やって百回勝てるのだろうが……実際の対戦相手と仲間を無視したバトルでは所詮トレーナーとして三流のそしりを免れないと知れ!!」
「……!!」
ダイバの肩が跳ねる。今まで静かにでも何かしら言い返したダイバが初めて何も言えなかった。
「僕は負けない……負けられない……ジェムにも君にもパパにもチャンピオンにも、どんな手を使ってでも、勝つ」
メタグロスが思考をフル回転させて体が輝きを放つ。バトルタワーの階下から二体のダンバルと一体のメタングが飛んできて、メタグロスの手足となって合体した。手段を選ばず冷徹に勝利を目指すメガメタグロスへと変わる。そこまでして勝とうする姿勢は……すごく痛々しくて、フロンティアの来たば
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