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フロンティアを駆け抜けて
重なり合う咆哮
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た時も強いと言われるポケモンばかり使っていたし、能力値の低いポケモンを使う意味がないと思っているのかも、とジェムは思った。

「ふっ……実力は高いと聞いていたが貴様も尻が青いな。ポケモンバトルはそこまで単純ではない」

 一方、自分の手持ちを馬鹿にされ使う気が知れないと言われたドラコは意外と冷静だった。貴様も、ということは過去にも何度か言われたことがあるのかもしれない。

「さあ、龍の咆哮に震撼するがいい! メガチルタリスよ、『ハイパーボイス』だ!!」
「ピュウアアアアアアアアアア!!」
「……! キュキュ、ガルーラの傍にいって『炎の渦』!!」

 メガチルタリスが息を吸い込んで天使のラッパを思わせる強烈な音を発しようとしたとき、ジェムの脳内にテレパシーが届く。すぐさまジェムはその通りに指示を出し、キュウコンに自身とガルーラを取り囲むように炎の渦を発生させた。大きな渦が音波によって吹き荒らされるが、その分ダメージは軽減される。

「これぞ我がドラゴン達の重なり合う咆哮!お互いの力を主張し合い、お互いがお互いの上をゆこうとする竜の意思だ!」
「御託はいいよ。メガガルーラ、『冷凍ビーム』」
「氷タイプの技なら突破できるとでも思ったか?」

 再びフライゴンが『爆音波』を放つ。ガルーラ親子の放った氷の光線は二つとも音に弾かれフライゴンの体に届かない。だがダイバはその間にジェムに指示を出す。ジェムがキュウコンをボールに戻す。

「うん、ドラコさんは両方とも特殊攻撃……ならここはラティ、頼んだわ! メガシンカも使うよ!」
「ひゅうううん!!」

 ジェムのつけている雫の髪飾りが輝き、ラティアスの体が紫色を基調とした飛行機のような姿となる。メガシンカポケモンが二体相手になってもドラコは余裕を崩さない。

「目には目を、竜には竜を……一見悪くないセンスだ。だがメガチルタリスの前にそれは過ちでしかないことを教えてやろう。『ハイパーボイス』だ!」
「ラティ、『ミストボール』! この技は相手の特殊攻撃力をダウンさせるよ!」

 メガチルタリスの激しい歌声を、メガラティアスは発生させた霧で包み込んでいく。すると音の力は少しずつ弱まり、ガルーラ親子へのダメージを弱めた。だがラティアスには『ハイパーボイス』は強く響きよろめく。

「だがメガシンカしたチルタリスの特性は『フェアリースキン』、よってこの歌声はフェアリータイプの技と化している。知らなかったか?」
「知ってる。でもメガラティアスの特殊耐久力は高い。このまま何発も打ち続ければ、ラティアスと引き換えに君のドラゴンは無力化出来る」

 そう言う間にもガルーラ親子はフライゴンに『グロウパンチ』を仕掛ける。霧の中からの突撃に反応が遅れ、
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