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フロンティアを駆け抜けて
重なり合う咆哮
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作戦通り戦うという意思表示でもあった。ジェムはダイバを見つめた。

「……足引っ張らないでね? いくよガルーラ、メガシンカ」

 苛立ちを隠そうともしない声で、ダイバもメタグロスを戻しガルーラを出す。そしてすぐさまメガシンカの力を使い、子供が袋から飛び出た。


「ドラコさんには本当に感謝してる……だからこそ、勝って話は聞かせてもらうよ!」
「フライゴンなんて雑魚モンスター使い、一瞬で捻り潰してやる……」
「我らがフロンティアを破壊するために邪魔はさせん! さあ、血塗られたショーの始まりだ!」


 フライゴンとチルタリスが翼を広げる。キュウコンとメガガルーラもフィールドに並び立ち、バトルタワーの形式に則ったバトルが始まる。ドラコはジェムの瞳を見て宣言した。

「教えてやろうジェム・クオール。この前戦った時の私はまるで本気ではなかったということを! メガチルタリスの大いなる雲に導かれし翼を見るがいい!」

 ドラコの耳につけた牙のようなイヤリングが輝き、彼女が腕を天に掲げる。呼応するようにチルタリスの体が白く輝き始め、体がもこもこと膨らんでいった。体を雲のような羽毛で覆ったメガチルタリスへと進化する。二日前のジェムとの戦いで見せなかった力だ。メガチルタリスによる、天使のラッパのような力強い歌声がフィールドに響き渡る。

「先にフライゴンから狙うよ。ガルーラ、『グロウパンチ』」
「キュキュ、『火炎放射』!」
「フライゴン、『爆音波』!」
「フリャアアアアア!!」

 ガルーラ親子が拳で殴りかかり、キュウコンが尾から九本の炎を出してフライゴンを攻撃する。フライゴンは自身の羽根を虫のように素早く羽搏かせ、バトルフィールドそのものをびりびりと震わせる。ジェムは思わず耳を塞ぐ。そして放った音波は拳で触れたガルーラ親子と、キュウコンの炎を吹き飛ばした。

「すごい音……!」
「どうだ、ダイバとやらはフライゴンを見下しているようだが……貴様のガブリアスにこのような芸当は出来まい!」
「だから何さ。味方を巻き込まないと強い攻撃が出来ないなんてただ弱さを証明してるだけだよ、こんなの」

 『爆音波』は凄まじい威力で全体を攻撃する反面、ダブルバトルでは味方も巻き込む技だ。事実メガチルタリスの歌声はあの瞬間は掻き消されていた。それにしても、ダイバはやたらとフライゴンを馬鹿にしているように聞こえる。

「ダイバ君ってフライゴンが嫌いなの?」
「……違う。ただバトルでは明らかにガブリアスの下位互換なのにわざわざ使うトレーナーの気が知れないだけ」

 ダイバはホウエンでは珍しいガブリアスを持っており、時折メガシンカさせて敵を一掃しているのを見ている。ゲームしているのを見せてもらっ
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