第九話:無人機と殺人鬼
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までです」
本題に入るのか、十蔵の瞳が鋭くなった。
「此度の襲撃犯なのですが、無人機でした」
理事長の言葉にラシャは目を見開いた。ありえないからだ。ISが夜に蔓延って十数年、「人が乗らないと動かない」というのが通説となっていたからだ。そこに現れた無人機。通説を破壊する天災のような出来事。最早思い当たる人物は一人しか居ない。
「通説を破壊する存在……もしや」
「篠ノ之束……とお考えですかな?」
ラシャの後を継ぐ十蔵に、ラシャは強く頷いた。
「奴以外考えられませんかと」
「確かに、世界中のIS技術の粋はIS学園に集中してます。故に無人機は理論上不可能だと……ふぅむ、もう下がって結構です。引き続き、不穏分子の排除をよろしくお願いします」
「承知致しました」
そう言い残して退室したラシャは、おもむろに胸に手を当てて、ううむと唸った。
──来るなよ、人殺し!!
愛しい弟分の言葉が脳内で反芻される。同時に自らの両腕が血にまみれている光景を幻視したラシャは、乾いた笑いを吐き出した。
「あいつも言うようになったな」
そういうラシャは次のターゲットの目星をつけるべく、自室に戻っていった。
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