第6部 贖罪の炎宝石
第4章 カリーヌの実力
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閃…という魔法かと思ったが、明らかにパワーも質も違うことに気づいた。
恐らく、虚閃の強化版か上位の魔法だろうと推測できた。
もし、これでカッタートルネードが押し負けたら勝ち目はないと思った。
カリーヌは竜巻の意向を見守った。
すると、緑色の閃光が爆発を起こす。
自身の魔法が上回ったと思った。
しかし、即座に自身の魔法も力を失い、四散するのが見えた。
結果は相殺であった。
カリーヌは、僅かに残った魔力で自身の周りに風を発動しようとした。
恐らく、ウルキオラの追撃が来ると予想したからである。
しかし、風を発動させる前に、後ろから刀剣が伸びているのを確認した。
その刀剣は、カリーヌの首元のすぐ右側へと伸びていた。
首を曲げて、後ろを振り向く。
すると、そこには何食わぬ顔で立っているウルキオラの姿が見えた。
「終わりだ」
ウルキオラは冷徹な声でカリーヌに言った。
カリーヌは吐き捨てるように言葉を放った。
「参りましたわ」
砂埃が晴れる。
庭園は、まるで戦場の如く荒れ果てていた。
ルイズたちは直ぐにウルキオラとカリーヌの居場所を確認した。
ウルキオラがカリーヌに斬魄刀を突き付けていた。
「母様!」
ルイズはそう叫ぶと、二人の元へとかけていった。
カトレアたちも後に続いた。
ウルキオラはカリーヌの降参を聞き、首元から斬魄刀を引き、鞘に納めた。
ルイズは地面に膝を着いているカリーヌに寄り添った。
「大丈夫ですか、母様」
ルイズは心配そうにカリーヌの顔を覗き込んだ。
「ええ、心配ないわ」
カリーヌは少し落ち着いたのか、いつもの調子で答えた。
それを聞いたルイズの顔に安堵が見える。
少しして、他の3人もカリーヌの元に近づいた。
「母様!無事!!」
「まあ、大変。怪我をしてますわ」
エレオノールとカトレアは各々にカリーヌの身を案じていた。
「無茶をしたな、カリーヌよ」
公爵は低い声で、唸るように言った。
「あら、本気だった…といってほしいわね」
カリーヌはよろめきながら、何とか立ち上がった。
「母様!」
「大丈夫よ、エレオノール」
カリーヌは、エレオノールの手を軽くあしらい、ウルキオラへと身体の向きを変えた。
「想像以上だったわ…まさか、この私が完敗だなんて…今でも信じられないわ」
ウルキオラは返答もなく、カリーヌを見つめた。
カリーヌは一呼吸置いて、もう一度口を開いた。
「……いいでしょう。ルイズの出征を認めます」
その言葉にエレオノールが反応した。
「でも母様…」
「口出し
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