第6部 贖罪の炎宝石
第4章 カリーヌの実力
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「響転…ああ、先ほどの…そういう名なのですね」
カリーヌはどこか楽しそうにしていた。
しかし、それとは裏腹に戦場に立つ兵士のような、ピリピリとした殺気を漲らせていた。
「どうやら俺は、お前を過小評価していたようだ」
ウルキオラはそういうと、斬魄刀を握りなおす。
カチャッと金属音が響き渡る。
「あら、まさかとは思いますが、簡単に倒せると思っていたのですか?」
カリーヌはどす黒い声を発した。
「ああ、正直な…だから……」
そこまでいって、ウルキオラは一度言葉を止めた。
庭の草木が、空気が、風が徐々に震え始めた。
カリーヌはそれを感じ取り、嫌悪を抱いた。
そして……。
ドンッッ!!とまるで空から無数の砲弾が降ってきたかのような衝撃が庭全体を覆った。
ウルキオラが霊圧を解放したためである。
カリーヌは反射的に杖を握る力が強まる。
「詫びに少々本気を出してやる」
そういった途端、カリーヌの目からウルキオラの姿が消えた。
ルイズにとって、ウルキオラとカリーヌの決闘は想像以上のものであった。
ウルキオラもカリーヌも強いことは知っていた。
しかし、まさかここまでの戦いになるとは思わなかったのである。
今までルイズが見てきた強者の戦いは、そのほとんどが一方的で短絡的なものであった。
つまり、強者と強者の戦い…というものを経験、もしくは観戦したことがなかった。
「すごい…」
ただ、それだけであった。
他にも、ウルキオラがエアストームをかき消した!とか、母上が響転による攻撃をよけた!と色々と思うところがあったのだが、それを発する余裕がないくらい、衝撃的であった。
横にいるカトレアたちも、何も発することなく戦いを見ている。
そして、ウルキオラがカリーヌのウィンドブレイクを躱し、お互いが静止したところで、ようやく公爵が口を開いた。
「むう…カリーヌの奴…ここまで強かったか?」
公爵が困惑したように言の葉を放った。
「母上が本気で戦っているところなんて見たことがありませんのでわかりませんわ」
カトレアは「ふふっ」と微笑しながら答えた。
しかし、ここで会話を遮断する出来事が起きた。
空気が…大気が震えを起こしていた。
一番最初にこの異変に気付いたのはエレオノールであった。
「空気が揺れてる…母様の魔法?」
だが、その予想は早々にはずれることとなる。
ドンッッッ!!と頭上から何かが打ち付けるような感覚を覚えた。
ルイズたちは、驚きの表情を浮かべ、意図せずに腰が曲がる。
「なに!?」
エレオノールが驚いたように口を開いた。
「ウルキオラが
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