第6部 贖罪の炎宝石
第4章 カリーヌの実力
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的な音を立てて竜巻へと向かっていく。
激突。
ウルキオラは虚閃で竜巻をかき消し、黒崎一護の月牙天衝を応用した『斬虚閃』を放ち、応戦しようとした。
しかし、それは崩れる。
竜巻は虚閃の軌道をずらした。
それだけではなく、虚閃を包むようにして天高くへとかき消した。
驚愕する。
ウルキオラは瞬時に行動を変更しようと踏みとどまった。
しかし、それと同時に竜巻からサッと風の刃が現れた。
それは『エア・カッター』であった。
ウルキオラは咄嗟に斬魄刀を手に取り、迎え撃った。
エアカッターは斬魄刀との小競り合いに負け、左右に散り地面へと衝撃する。
ウルキオラが大勢を立て直したと同時に、竜巻も勢力を失い空気へと溶け込む。
「ふふ、私のエアストームを力ずくでかき消したのはあなたが初めてですわ」
カリーヌは楽しそうに呟いた。
ウルキオラは何も発さずに、ただカリーヌを見つめていた。
「でも……」
杖を水平に持ち上げる。
「先ほどの緑色の光よりも、私のエアストームの方が上でしたわね」
言葉の終わりと共に、カリーヌは新たに魔法を放った。
それは鋭い、槍のようなものであった。
『エアスピア―』である。
ウルキオラはそれを軽くかわし、響転で一気に距離を詰めた。
常人ならば、まるで瞬間移動したかのように見える。
それは、メイジにとっても変わりない。
ウルキオラはカリーヌの杖を切り裂くように斬魄刀を振り下ろした。
しかし、斬魄刀は空を斬り、地面へと刺さる。
ウルキオラは目を見開いた。
躱されたのである。
斬魄刀が杖を斬るその瞬間、カリーヌは右腕を引き、後ろへ一歩後退したのだ。
そしてすぐさま、『ウィンドブレイク』でカウンターを狙った。
だが、それは響転を用いて移動したウルキオラにあたることはなかった。
「速いですわね…想像以上ですわ」
カリーヌは態勢を立て直しながら言った。
ウルキオラは驚きのあまり声が出なかった。
(どういうことだ…俺の響転を見切っただと?)
全力…とまではいかないものの、それこそ8割程度のスピードで迫ったはずだった。
相手が隊長格クラスの死神ならわかる。
しかし、相手は人間。
いくら魔法が強かろうと、響転を避けられるほどの反射神経は持ち合わせていない。
だが、結果として避けられてしまった。
これ世界で初めて、ウルキオラは他人に『警戒』をした。
「驚いたな」
ウルキオラは小言を言うように言葉を発した。
「何がです?」
カリーヌが答える。
「俺の響転に反応するだけでなく、躱すとはな」
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