第6部 贖罪の炎宝石
第4章 カリーヌの実力
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、エア・ハンマーは、ドットやラインでも扱える魔法である。
いくらメイジとしての実力があり、ドットやラインのエア・ハンマーとはわけが違うと言われても、限度というものがある。
事実、ワルドの放ったエア・ハンマーではこうはならなかった。
同じスクウェアメイジでも、ワルドとカリーヌでは、天と地の差であった。
「あら、恐らく防がれるとは思っていましたが、まさか素手で止められるとは思いませんでしたわ」
カリーヌはウルキオラの姿を見て、少し驚いた様子であった。
「……やろう」
「はい?」
ウルキオラの言葉が聞き取れなかったカリーヌは聞き返した。
「認めてやろう。俺がこの世界で戦った奴らの中で、お前は最も強いメイジだ」
ウルキオラの言葉にカリーヌは目を見開いた。
「あら、それは感激ですわ…ですが、だからと言って手を抜いたりはしませんわ」
そういうと、カリーヌの周りに烈風が躍り出た。
ウルキオラとカリーヌの決闘が始まると、今まで静寂を喫していた広々とした庭は、一瞬で闘技場の如き空気を醸し出していた。
少し離れたところで観戦しているルイズたちがいた。
「母上のエア・ハンマーが片手で防がれるなんて…」
そう言って驚いた様子で口を開いたカトレアであったが、隣にいるルイズは違った意味合いで驚いていた。
(あいつが…押された?)
ウルキオラとこれまで一緒に行動を共にしてきたルイズはわかっていたのだ。
「むう…スクウェアメイジの放つ魔法を素手で、しかも片手で制圧するものなど初めて見たな」
公爵は顎に手を当てながら興味深そうに呟いた。
「危険ね…間違いなく…」
エレオノールは鋭い眼光でウルキオラを睨みつける。
(違う…)
ルイズは目を細めた。
(これは…この戦いは今までのそれとは違う)
ウルキオラを見る。
ウルキオラは今までにないほど戦いに集中しているように見えた。
もしかしたらルイズの勘違いかもしれないが、そんな気がしたのだ。
各々がそうこう考えていると、瞬間的に突風が起こった。
カリーヌが放った魔法であった。
轟轟と音を立て、天高くまで風の渦が巻き起こる。
『エア・ストーム』である。
トライアングルスペルであるエアストームは、全てを巻き込まんとしていた。
カリーヌの前に出現した竜巻を、ウルキオラは警戒していた。
カリーヌが杖を振り下ろすと、鎮座していた竜巻が轟音と共にウルキオラの方へと向かっていく。
ウルキオラは右手を上げ、人差し指をそれに向けた。
指先に緑色の光が集まる。
『虚閃』であった。
少しして、圧縮しきった虚閃が放たれる。
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